舞歌の台本ダイジェスト

文字数 497文字

 時は現代。かつて見ず知らずの女性への恋がもとで仲違いした、2人の男がいた。
待て、その方程式は……。
 一方は貧しい学者。
さて……何のことでしょう? 
 その研究成果を、かつてその影法師として女性との中を取り持っていた裕福な男が横取りする。
待て! 逃がしはしない!
ご自由に。あなたは、あの女性を見ているだけだった。私は直接会って、あなたの言葉を自分のものとして語った。それなら私があなたになったほうがいい。
 やがて影法師はその成果によって富豪の娘との婚約を取り付け、資金と名声を手にする。
驚きましたわ、こんなことができるなんて。
いけません、そいつは私の研究成果を……。
脅迫の現行犯ですよ。私は君など知りません。
学者はその娘に影法師の危険を訴えるが、影法師は脅迫者扱いして罪に陥れる。
お待ちください、私、その方を存じております。
 裁判で有罪になりかかった学者を救ったのは、その令嬢だった。
あなたは……あの……。

 その令嬢こそは、かつて仲違いの原因となった女性だったのだ。影法師は学者に取って代わろうとする目論見が崩れて消え去る。

 濡れ衣が晴れた学者は地位と名誉を取り戻して、愛する令嬢と結ばれる。

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登場人物紹介

三坂朔(みさか さく)

 ヤル気なしの高校1年生。

 帰宅部だったのに、演劇部員の地区大会代役として舞台に引っ張り出されて、汗みどろのシゴキに耐える日々を送っている。

 サボリ癖が強い上にムッツリスケベといいところなしだが、苦境にある者を見ると、放ってはおけない。

 幼馴染への恋には最近気づいたが、間に合わなかった。

徳永舞歌(とくなが まいか)

 劇作に夢中の高1女子。 

 役者修行に加えて戯曲執筆もこなす、やる気満々の才女。

 そのせいで朔の気持ちには気付かず(というか、もともと眼中にない)、勉強に恋にと高校生活を満喫している。

 普段は無邪気な天然少女だが、稽古の間は悪鬼羅刹と化す。

 

 

風間涼美(かざま すずみ)

 才色兼備の高3女子。

 蠱惑的な肢体を持ちながら、部活でも学校でも目立たないのは、(文字通り)次元の違う世界で生きているからである。

 即興の4行詩を吟ずることで、人間の肉体を乗っ取ろうとする異界の魔物を祓うことができる。

 実はお茶目で、年下の男性をからかうのが大好きだったりする。

シャドウ

 文字通りの「影」だが、熱い心と深い洞察力を秘めている。

 ふだんは学生服を着て、風間涼美と行動を共にしている。

 異界の魔物と接触すると、涼美の詠唱する詩の持つパワーを実体化して闘う。

都筑幸威(つづき ゆきたけ)

頭良し、ルックスよし、人望アリの完璧高2男子。

演劇部でも役者として、大会上演作品の中心となっている。

現在、徳永舞歌との交際も順調。


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