先輩の残した……。
文字数 402文字
手を合わせてウインクなんかしてるのは、都筑だった。
もちろん、それは口には出さない。舞歌の前だ。
きょとんとする幼馴染の前で、ちょっといい格好をしてみせる。
シャドウの口調を真似てみたら、何だか悔しくはなくなった。歩き方も意識してみたりする。
舞歌の冷めた一言に返事はしないで、2人に背中を向けて楽屋へ向かう。涼美先輩の歌が身体に流れ込んできたみたいに力が手足にあふれてきた。
手を入れたポケットが、後で都筑が使うかもしれない衣装だったことに気がついた。
手を出してみると、まだあの紙切れを握っている。
開いてみると、詩が一編書いてあった。
開いてみると、詩が一編書いてあった。
己を知れ 光も影も
汝を知るもの これにあり
目を背くなかれ 己の闇から
そは汝の来たりしところなれば
汝を知るもの これにあり
目を背くなかれ 己の闇から
そは汝の来たりしところなれば