気付くのが遅すぎた恋
文字数 454文字
返事をしなかったんじゃない。できなかった。
桜の花びらが舞い散るなかで見た、舞歌のブレザーがドキッとするほどかわいかったのだ。
何だか胸の中がもやもやしだして、入学式まではいつも一緒に学校行ったり家帰ったりしていたのが、照れ臭くなった。舞歌も演劇部に入って忙しくなったのか、学校でしか顔を合わせなくなった。
赤点の補充授業グループになっていたなんて、恥ずかしくて言えなかった。
いつもは帰宅部だったのに居残りを食らい、部活が終わった生徒と帰る時間帯がたまたま同じになったのが、僕のドキドキにとどめを刺した。