ムチャ振りの屈辱に幼馴染は気づかない
文字数 410文字
僕はアテにされているのかいないのか、そこらへんをはっきりさせてほしかった。
部活のことなんか全然分からないのに、いきなり大会がどうのと言われても困る。聞きたいことは言葉にしきれないくらいたくさんあったので、一言にまとめて聞いてみた。
一瞬、眼の前がぱっと明るくなったのがものすごく恥ずかしかった。人の不幸をよろこんだりしちゃいけないのだ。僕はどっちの気持ちもぐっと抑えて、目を固く閉じた。
それをどう誤解したのか、実に切ない声で舞歌は頼んできた。
それをどう誤解したのか、実に切ない声で舞歌は頼んできた。
だいたい分かっていたけど、いきなり断るのも何なので、一応は聞いてみた。
1年先輩を「くん」づけとは恐れ入った彼女様だったが、そんなことは理由にできない。頭悪いなりに、遠回しな断り方を考えてみた。