人生終わりの1丁目

文字数 433文字

あ……あれ……。
 ほっとしたのも束の間、そこに現れたのは、ピンクのパジャマ姿の少女だった。
夜中だけど……いいよね。
あ、舞歌ちゃん、かわいい!
聞こえるだろ!
 女子がシャワールームに入ってきてやることは1つだ。僕は慌てて、ここを飛び出そうとした。涼美先輩はというと、落ち着き払っていて逃げもしない。
まあ、まあ。
何してんだ!
逃げなくていいわ。
 冗談じゃない。
でも、これバレたら……。
 人生が終わる。
見えやしない、こっちは。
 よく考えたら、僕は今、涼美先輩の次元にいるのだ。舞歌が気づくことはない。
そういえばそうだな。
 でも、そういう問題じゃなかった。
あ……。
え……。
……ふう。
 舞歌が、パジャマを脱ぎ始めたのだ。よっぽど部屋が寝苦しかったんだろうが、そんなこと言ってる場合じゃなかった。
見るな!
 今度は、涼美先輩が僕を床に押さえ込んだ。
見えやしないって言ったのに。
でも見るな。
 言いたいことは分かるが、変質者扱いはやめてほしかった。でも、涼美先輩のお仕置きは止まらない。
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登場人物紹介

三坂朔(みさか さく)

 ヤル気なしの高校1年生。

 帰宅部だったのに、演劇部員の地区大会代役として舞台に引っ張り出されて、汗みどろのシゴキに耐える日々を送っている。

 サボリ癖が強い上にムッツリスケベといいところなしだが、苦境にある者を見ると、放ってはおけない。

 幼馴染への恋には最近気づいたが、間に合わなかった。

徳永舞歌(とくなが まいか)

 劇作に夢中の高1女子。 

 役者修行に加えて戯曲執筆もこなす、やる気満々の才女。

 そのせいで朔の気持ちには気付かず(というか、もともと眼中にない)、勉強に恋にと高校生活を満喫している。

 普段は無邪気な天然少女だが、稽古の間は悪鬼羅刹と化す。

 

 

風間涼美(かざま すずみ)

 才色兼備の高3女子。

 蠱惑的な肢体を持ちながら、部活でも学校でも目立たないのは、(文字通り)次元の違う世界で生きているからである。

 即興の4行詩を吟ずることで、人間の肉体を乗っ取ろうとする異界の魔物を祓うことができる。

 実はお茶目で、年下の男性をからかうのが大好きだったりする。

シャドウ

 文字通りの「影」だが、熱い心と深い洞察力を秘めている。

 ふだんは学生服を着て、風間涼美と行動を共にしている。

 異界の魔物と接触すると、涼美の詠唱する詩の持つパワーを実体化して闘う。

都筑幸威(つづき ゆきたけ)

頭良し、ルックスよし、人望アリの完璧高2男子。

演劇部でも役者として、大会上演作品の中心となっている。

現在、徳永舞歌との交際も順調。


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