これが「シャドウ」の能力

文字数 420文字

 涼美先輩がシャドウと呼ばれた学生服と去っていった後、僕の目の前はいつもの帰り道に戻っていた。
あ……れ? 夢でも見たのかな、バスの中で。
 その日は帰るなり夕食もそこそこに寝てしまったけど、次の日の朝、部活に行って驚いた。
あ……!
 確かに、ステージには涼美先輩がいた。ただ、誰も話しかけない。黙々と準備運動をやって、同じように発声練習をやって、稽古に入った。
おはよう……ございます。
 まだ夢でも見ているかのような気がして、おずおずと話しかけた。

 でも先輩は、ちゃんと僕を知っていた。

おはよう、三坂君。
……え? いや。あの……その人は?
 見慣れない、いや、見たことがあるかもしれない人影を従えているけど、それにだって誰も気づかない。顧問の先生でさえも、声もかけなければ、正面からぶつかりさえした。
 でも、問題はそこじゃなかった。稽古が始まった時、先輩はその名を呼んだのだ。 
シャドウ。
おうっ!
 呼ばれて元気よく現れたのは、僕自身だった。
え……!
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登場人物紹介

三坂朔(みさか さく)

 ヤル気なしの高校1年生。

 帰宅部だったのに、演劇部員の地区大会代役として舞台に引っ張り出されて、汗みどろのシゴキに耐える日々を送っている。

 サボリ癖が強い上にムッツリスケベといいところなしだが、苦境にある者を見ると、放ってはおけない。

 幼馴染への恋には最近気づいたが、間に合わなかった。

徳永舞歌(とくなが まいか)

 劇作に夢中の高1女子。 

 役者修行に加えて戯曲執筆もこなす、やる気満々の才女。

 そのせいで朔の気持ちには気付かず(というか、もともと眼中にない)、勉強に恋にと高校生活を満喫している。

 普段は無邪気な天然少女だが、稽古の間は悪鬼羅刹と化す。

 

 

風間涼美(かざま すずみ)

 才色兼備の高3女子。

 蠱惑的な肢体を持ちながら、部活でも学校でも目立たないのは、(文字通り)次元の違う世界で生きているからである。

 即興の4行詩を吟ずることで、人間の肉体を乗っ取ろうとする異界の魔物を祓うことができる。

 実はお茶目で、年下の男性をからかうのが大好きだったりする。

シャドウ

 文字通りの「影」だが、熱い心と深い洞察力を秘めている。

 ふだんは学生服を着て、風間涼美と行動を共にしている。

 異界の魔物と接触すると、涼美の詠唱する詩の持つパワーを実体化して闘う。

都筑幸威(つづき ゆきたけ)

頭良し、ルックスよし、人望アリの完璧高2男子。

演劇部でも役者として、大会上演作品の中心となっている。

現在、徳永舞歌との交際も順調。


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