これが「シャドウ」の能力
文字数 420文字
涼美先輩がシャドウと呼ばれた学生服と去っていった後、僕の目の前はいつもの帰り道に戻っていた。
その日は帰るなり夕食もそこそこに寝てしまったけど、次の日の朝、部活に行って驚いた。
確かに、ステージには涼美先輩がいた。ただ、誰も話しかけない。黙々と準備運動をやって、同じように発声練習をやって、稽古に入った。
まだ夢でも見ているかのような気がして、おずおずと話しかけた。
でも先輩は、ちゃんと僕を知っていた。
見慣れない、いや、見たことがあるかもしれない人影を従えているけど、それにだって誰も気づかない。顧問の先生でさえも、声もかけなければ、正面からぶつかりさえした。
でも、問題はそこじゃなかった。稽古が始まった時、先輩はその名を呼んだのだ。
でも、問題はそこじゃなかった。稽古が始まった時、先輩はその名を呼んだのだ。
呼ばれて元気よく現れたのは、僕自身だった。