涼美先輩に迫る危機
文字数 409文字
代わりになるものはあるらしかった。
僕の考えがどれだけ甘かったかは、先輩の金切り声で分かった。
何を言っているのかは、分からなかったけど。
どうにかしてなだめなくちゃいけないのは、分かった。
立ち上がって落ち着かせようと思ったけど、伸ばした手は振り払われた。
荒い息に押されて、僕はまた椅子に座りながら、なおも尋ねた。シャドウだけは返すわけにいかない。
先輩の声は怒りに震えていた。僕も怖かった。
ひとつだけ、この場を切り抜ける手があった。この何日か、いや、今でも先輩は気付いていないはずだ。