筋道の通らない会話
文字数 476文字
ほっと一息ついた涼美先輩に話を合わせると、また頭を叩かれた。
筋道の通らない話に、二人で、息を殺して笑った。
ついでに僕は自分の疑問を、シャドウとして口にしてみた。
涼美先輩の影が薄いわけだ。でも、2つの世界で見るものは、建物から何から全部同じだ。それについては、こんな風に聞いてみた。
つまり、住んでいる次元だけが違うらしい。でも、今、僕はシャドウと入れ替わってここにいる。これにも時間制限があるのか尋ねてみた。
その答えが出る前に、ドアのカギが回る音がした。慌てて涼美先輩と脱衣場の隅に引っ込むと、天井の明かりがついた。あの幽体がそんなことをするはずがない。普通の人間がやってきたのだ。