そして幼馴染の恋が始まる
文字数 487文字
補充授業の初日、薄暗くなってからとぼとぼ独りで帰るところで、僕は舞歌に呼び止められた。
もじもじしている舞歌の言葉を、隣にいた男が引き取った。
それからというもの、夕方に舞歌と都筑が仲良く部活行ったり帰ったりするのを見る日々が続いた。
初夏の夕日に向かって走る僕の背中から、心に突き刺さる無神経な会話が聞こえてきた。
遠ざかっていく声のやり取りを、僕は泣きながら聞いていた。
そして僕は、いつになく必死で勉強を重ね、週をまたぐことなく補充を終わらせた。