第23話 復縁の願い(2)
文字数 1,917文字
夜中、2時すぎ。
繭子は、鬼の形相でお呪いやスピリチュアルのサイトを見ていた。
どうにかして敬哉を生き返らせる方法がないか探していた。
スピリチュアルでは、輪廻転生思想が一般的だった。死んでも生まれ変わり、縁のある人は来世で生まれかわる。前世の記憶がないのは、それも学びなのだそう。
前世から縁のあるソウルメイトの特徴がまとめられていた記事を読む。敬哉の特徴と一致して怖い。例えば初対面から運命を感じたとか、意図していないのに偶然会う事が多いとか、ほくろの位置が一緒だとか。あと、敬哉とは何故か、ムラムラとする時間やタイミングが一致していた。繭子が「したい」と思えば敬哉もそう思う事があり、実は別れてから一度だけセックス目的で会った事もあった。やっぱり敬哉は運命の相手だったのかもしれない。
「何、このサイトは」
ウットリした気分でネットを徘徊していたが、キリスト教の牧師が書いてあるブログを偶然読む。楽しい気持ちに水を刺すようなブログ内容だった。記事のタイトルは「魂の連結」。何でもキリスト教の概念では、結婚以外のセックスは認めていないらしい。その古臭い概念にカルチャーショックを受けたが、ブログ記を読み進めると、恐ろしい事が書いてある。
結婚外でセックスした相手とは、「魂の連結」ができ、相手の呪いや不幸が流れ込んでくるらしい。しかも相手がヤリチンやビッチだった場合、呪いや不幸は際限なく流れ込む事もあるらしい。相手の思考を言葉を交わせずとも理解できたり、相手がムラムラしたら、こっちもムラムラする事があるという。また、重い片思いでも似たように相手に不幸を送る事が出来るらしい。いわゆる生霊と言われているものがこの現象らしい。元々神は性交渉も夫婦の祝福として創造した。それを自己中心的な思いで悪用すれば、それなりの報いがあるという。心当たりがありすぎて胸がザワザワする。ブログ記事では、片思い相手には祝福を祈り、結婚以外の性交渉もよく考えてから行いましょうと締め括られていた。
正直、ブログ記事は思い当たる節が多かった。しかし、キリスト教なんてカルトのイメージだ。よく知らないが、ツボを売ってたカルト宗教だっけ?
繭子は一般的な日本人で、宗教に関しては全く興味がない。いくらキリスト教の牧師が、こんな事を書いていても、ピンとこない。心のどこかで引っかかるものを感じつつも、再びスピリチュアルやお呪いのサイトを巡回する。寝不足になるが、スピリチュアルのサイトは耳に心地い事を言っているから、ついつい読んでしまう。
牧師のブログのように「婚前交渉はよく考えて行いましょう」なんて書いてないし、自分軸で自己肯定感を上げれば上手くいくとある。世界は自分の波動でつくっていて、叶えられない願いは無いとも書いてある。気分は高揚してきた。何でも願いが叶えられるなんて、「自分は神」ではないか。牧師が書いたブログの記憶など、すっかり頭から追い出した時、とあるサイトに辿りついた。
「あやかし神社? 何これ?」
神社の鳥居が書かれたサイトだ。鳥居の絵とあやかし神社という文字しかない安っぽいサイトだった。個人が作っているよな手作り感が溢れている。エロ系の広告も多く貼り付けられていた。巨乳美女の絵の隣に「浮気しよ♪」という台詞も書いてあった。そんな広告が妙に目につく。
鳥居をクリックすると、「あなたの願いを何でも叶えてあげましょう」とある。スクロールしていくと、細い文字で契約内容が書いてあった。
・契約は絶対です。途中で変更はできません。
・あやかし神社の神主とは、あなたの健康、財産、将来など一体になります。
・契約とは結婚とも言い換えられます。神が作ったシステムなので、仕方ありません。契約後は、神主と全て一体になると考えてください。
細かい文字を読むのが面倒になり、途中を読み飛ばした。他にも細かい文字が書いてあったが、面倒くなってきた。
最後にはメールアドレスがあり、ここに送ると契約できるらしい。驚いた事に、願いを叶えてもらうのには、料金がかからないみたいだった。他のスピリチュアルサイトやお呪いサイトは、10万円ぐらい要求する所も多いのに、何故?
繭子はちょっと怖くなり「あやかし神社」のキーワードでネット検索し続けていた。
検索してもあまり記事は出てこなかったが、神社の口コミサイトで、一件だけ投稿されていた。絶賛コメントで口コミされていて、願いは何でも叶うらしい。口コミ一件だけでは不安がある。しかも「死んだ元彼生き返らして欲しい」という願いだ。聞いてくれるかわからない。とりあえず、この口コミの投稿者に連絡をとってみる事にした。
繭子は、鬼の形相でお呪いやスピリチュアルのサイトを見ていた。
どうにかして敬哉を生き返らせる方法がないか探していた。
スピリチュアルでは、輪廻転生思想が一般的だった。死んでも生まれ変わり、縁のある人は来世で生まれかわる。前世の記憶がないのは、それも学びなのだそう。
前世から縁のあるソウルメイトの特徴がまとめられていた記事を読む。敬哉の特徴と一致して怖い。例えば初対面から運命を感じたとか、意図していないのに偶然会う事が多いとか、ほくろの位置が一緒だとか。あと、敬哉とは何故か、ムラムラとする時間やタイミングが一致していた。繭子が「したい」と思えば敬哉もそう思う事があり、実は別れてから一度だけセックス目的で会った事もあった。やっぱり敬哉は運命の相手だったのかもしれない。
「何、このサイトは」
ウットリした気分でネットを徘徊していたが、キリスト教の牧師が書いてあるブログを偶然読む。楽しい気持ちに水を刺すようなブログ内容だった。記事のタイトルは「魂の連結」。何でもキリスト教の概念では、結婚以外のセックスは認めていないらしい。その古臭い概念にカルチャーショックを受けたが、ブログ記を読み進めると、恐ろしい事が書いてある。
結婚外でセックスした相手とは、「魂の連結」ができ、相手の呪いや不幸が流れ込んでくるらしい。しかも相手がヤリチンやビッチだった場合、呪いや不幸は際限なく流れ込む事もあるらしい。相手の思考を言葉を交わせずとも理解できたり、相手がムラムラしたら、こっちもムラムラする事があるという。また、重い片思いでも似たように相手に不幸を送る事が出来るらしい。いわゆる生霊と言われているものがこの現象らしい。元々神は性交渉も夫婦の祝福として創造した。それを自己中心的な思いで悪用すれば、それなりの報いがあるという。心当たりがありすぎて胸がザワザワする。ブログ記事では、片思い相手には祝福を祈り、結婚以外の性交渉もよく考えてから行いましょうと締め括られていた。
正直、ブログ記事は思い当たる節が多かった。しかし、キリスト教なんてカルトのイメージだ。よく知らないが、ツボを売ってたカルト宗教だっけ?
繭子は一般的な日本人で、宗教に関しては全く興味がない。いくらキリスト教の牧師が、こんな事を書いていても、ピンとこない。心のどこかで引っかかるものを感じつつも、再びスピリチュアルやお呪いのサイトを巡回する。寝不足になるが、スピリチュアルのサイトは耳に心地い事を言っているから、ついつい読んでしまう。
牧師のブログのように「婚前交渉はよく考えて行いましょう」なんて書いてないし、自分軸で自己肯定感を上げれば上手くいくとある。世界は自分の波動でつくっていて、叶えられない願いは無いとも書いてある。気分は高揚してきた。何でも願いが叶えられるなんて、「自分は神」ではないか。牧師が書いたブログの記憶など、すっかり頭から追い出した時、とあるサイトに辿りついた。
「あやかし神社? 何これ?」
神社の鳥居が書かれたサイトだ。鳥居の絵とあやかし神社という文字しかない安っぽいサイトだった。個人が作っているよな手作り感が溢れている。エロ系の広告も多く貼り付けられていた。巨乳美女の絵の隣に「浮気しよ♪」という台詞も書いてあった。そんな広告が妙に目につく。
鳥居をクリックすると、「あなたの願いを何でも叶えてあげましょう」とある。スクロールしていくと、細い文字で契約内容が書いてあった。
・契約は絶対です。途中で変更はできません。
・あやかし神社の神主とは、あなたの健康、財産、将来など一体になります。
・契約とは結婚とも言い換えられます。神が作ったシステムなので、仕方ありません。契約後は、神主と全て一体になると考えてください。
細かい文字を読むのが面倒になり、途中を読み飛ばした。他にも細かい文字が書いてあったが、面倒くなってきた。
最後にはメールアドレスがあり、ここに送ると契約できるらしい。驚いた事に、願いを叶えてもらうのには、料金がかからないみたいだった。他のスピリチュアルサイトやお呪いサイトは、10万円ぐらい要求する所も多いのに、何故?
繭子はちょっと怖くなり「あやかし神社」のキーワードでネット検索し続けていた。
検索してもあまり記事は出てこなかったが、神社の口コミサイトで、一件だけ投稿されていた。絶賛コメントで口コミされていて、願いは何でも叶うらしい。口コミ一件だけでは不安がある。しかも「死んだ元彼生き返らして欲しい」という願いだ。聞いてくれるかわからない。とりあえず、この口コミの投稿者に連絡をとってみる事にした。
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