第15話 縁切りの願い(2)
文字数 959文字
翌朝、ポストの中を見ると、差し出し人不明の封筒が入っていた。桐花の住むマンションは、比較的落ちついた住宅街にあったが、築30年以上でちょっとボロくはある。収入はあるが、かえってケチになっていた。意外と防音はしっかりしてるので、引っ越したくないのが本音だ。
「うん? 何これ。きゃ!」
家に帰って封筒の中身を見たら、全裸の自分の写真が入っている。
写真の背景から察するに、どう見ても智樹の臭い部屋だった。
「な、何これ……」
中学時代の自分の写真だが、垢抜けない太眉にニキビだらけの肌。全裸よりもこの顔写真が恥ずかしい。
桐花は連絡帳をあさり、智樹に電話をかけた。
「配信なんてやっていいご身分だな。このクソビッチ!」
なぜか智樹はブチギレていて、桐花に恨みを募らせていた。
「この写真をネットでバラされたくなければ、俺の言う事をきけ」
「嫌だよ。っていうかいつの間に写真撮ってたのよ!」
すぐに電話を切ったが、この日から智樹はストーカーになってしまった。地元の友達に聞くと、昔から智樹は桐花に気があったようで、後をつけていたらしい。偶然、先生に見つかったりして、大事にはならなかっただけだった。
「桐花、あんた何やったの? 思わせぶりな態度だったんじゃない?」
友達は、あまり真剣に聞いてはくれなかったが、後をつけられたり、ポストに唾液や精液が入れられている事が増えた。携帯にもしつこく電話もかかってきた。
警察にも相談したが、配信などを説明しても分かってもらえない。むしろ、そんな事をしてるから、ストーカーされたと決めつけられた。
桐花が常々思っているように、世の中は男女平等では無い。若い女がストーカーの相談に行っても、誰もまともに取り合ってくれない。頼みの彼氏である敬哉は長期出張中で、守ってくれない。友達も親にも「そんな仕事をしてるから自己責任」と言われてしまった。
追い詰められた桐花は、縁切り神社に行く事にした。調べると、近所にあやかし神社という有名な縁切り神社があるらしい。
桐花は藁も掴む思いで、あやかし神社に直行した。もう深夜だったが、今すぐ解決したかった。深夜に出歩くなど、ストーカー被害者の行動とは思えないが、それぐらい桐花は理性を失っていた。
「助けて、助けて」
満月の夜空の下、桐花のうめき声が響いてた。
「うん? 何これ。きゃ!」
家に帰って封筒の中身を見たら、全裸の自分の写真が入っている。
写真の背景から察するに、どう見ても智樹の臭い部屋だった。
「な、何これ……」
中学時代の自分の写真だが、垢抜けない太眉にニキビだらけの肌。全裸よりもこの顔写真が恥ずかしい。
桐花は連絡帳をあさり、智樹に電話をかけた。
「配信なんてやっていいご身分だな。このクソビッチ!」
なぜか智樹はブチギレていて、桐花に恨みを募らせていた。
「この写真をネットでバラされたくなければ、俺の言う事をきけ」
「嫌だよ。っていうかいつの間に写真撮ってたのよ!」
すぐに電話を切ったが、この日から智樹はストーカーになってしまった。地元の友達に聞くと、昔から智樹は桐花に気があったようで、後をつけていたらしい。偶然、先生に見つかったりして、大事にはならなかっただけだった。
「桐花、あんた何やったの? 思わせぶりな態度だったんじゃない?」
友達は、あまり真剣に聞いてはくれなかったが、後をつけられたり、ポストに唾液や精液が入れられている事が増えた。携帯にもしつこく電話もかかってきた。
警察にも相談したが、配信などを説明しても分かってもらえない。むしろ、そんな事をしてるから、ストーカーされたと決めつけられた。
桐花が常々思っているように、世の中は男女平等では無い。若い女がストーカーの相談に行っても、誰もまともに取り合ってくれない。頼みの彼氏である敬哉は長期出張中で、守ってくれない。友達も親にも「そんな仕事をしてるから自己責任」と言われてしまった。
追い詰められた桐花は、縁切り神社に行く事にした。調べると、近所にあやかし神社という有名な縁切り神社があるらしい。
桐花は藁も掴む思いで、あやかし神社に直行した。もう深夜だったが、今すぐ解決したかった。深夜に出歩くなど、ストーカー被害者の行動とは思えないが、それぐらい桐花は理性を失っていた。
「助けて、助けて」
満月の夜空の下、桐花のうめき声が響いてた。
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