第49話 平安への願い(4)完
文字数 1,118文字
星羅は「悪魔の恋愛テクニック」というタイトルの本を出版し、この世の春を謳歌していた。
家もタワーマンションに引っ越し、夫との生活も順調。まだ、子供はできないが、神社に頼めば妊娠も出来るような気がしていた。
そんな折、郵便物が届いているのが見えた。あやかし神社からだった。毎日のように神この社に通い、成功していたので、何の知らせかドキッとしてしまう。
「こんなに成功させてあげたのだから、代償はいただきます。ただ、あなたは罪でいっぱいなので、夫か将来生まれてくる子に請求させて頂きます。これが霊的な決まりです。罪の無いものの血、命でしかコレは消えません。って何これ?」
意味のわからない手紙だった。イタズラだろうと思う。実際、今のところ夫には何もない。ただ、こんな手紙がきてから毎日不安で眠れない。自分は、神頼みして成功を手に入れたのは事実だから。
気づくと、目の前に神社にいたキツネがいた。毎日キツネに監視され、気が狂いそうだった。
「おお。星羅は毎日のようにビビってるのか」
キツネの姿をした悪霊から星羅の様子を聞いた。悪魔は、おかしくて腹を抱えて大笑いしていた。
「実は無神論者は、霊的なガードがないから騙しやすいよなー。まあ、神社で拝んでも全員の願いは叶えないよ。利用価値のない貧乏人やブス、非モテ、病人、障害者や老人の願い叶えて、俺になんの得があるわけ? こっちだって願いを叶える奴は選んでるし、神に愛されちゃってる系の人はスピリチュアルや神社参拝何やっても叶わないぜ? 俺はよく知らんが、後々神が救う計画でもあるんだろう。だから叶えようとしてやっても天使が止めに来るわけよ。俺にクレームいれるなよ。これが引き寄せジプシーの原因だよな」
あやかし神社からは、社会的弱者の祈りの声も聞こえてくるが、悪魔は丸っと無視していた。
「俺は、こいつら嫌いなんだよなー。神が目にかけてるから。こいつらの願い叶えたって、逆に向こう側にころっと行きそうな感じするしぃー。聖書では悲しむ人は幸いとか書いてあるのが腹立つわなー。俺は美人と金持ちと高学歴が好きだぜ。まあ、こっちへの崇拝のエネルギーだけは頂こうとするか」
こうして人間から搾取したエネルギーで、星羅の願いを叶えていた。さらに借金が膨らんだところで、夫か子供の命を奪う計画だった。その方がより星羅が傷つくから。
「まあ、星羅の平安への願いは叶えられんよ。っていうか、それは俺でも無理な相談よ。死後の事は、神にしか答えはないぜ? 俺は神が創ったもんをパクって滅ぼす事しか出来んのよ」
そう言う悪魔の表情は、悔しそうに歪んでいた。結局、神に勝てるものは何一つ無いと思うと、 イライラとし唇を噛んだ。
家もタワーマンションに引っ越し、夫との生活も順調。まだ、子供はできないが、神社に頼めば妊娠も出来るような気がしていた。
そんな折、郵便物が届いているのが見えた。あやかし神社からだった。毎日のように神この社に通い、成功していたので、何の知らせかドキッとしてしまう。
「こんなに成功させてあげたのだから、代償はいただきます。ただ、あなたは罪でいっぱいなので、夫か将来生まれてくる子に請求させて頂きます。これが霊的な決まりです。罪の無いものの血、命でしかコレは消えません。って何これ?」
意味のわからない手紙だった。イタズラだろうと思う。実際、今のところ夫には何もない。ただ、こんな手紙がきてから毎日不安で眠れない。自分は、神頼みして成功を手に入れたのは事実だから。
気づくと、目の前に神社にいたキツネがいた。毎日キツネに監視され、気が狂いそうだった。
「おお。星羅は毎日のようにビビってるのか」
キツネの姿をした悪霊から星羅の様子を聞いた。悪魔は、おかしくて腹を抱えて大笑いしていた。
「実は無神論者は、霊的なガードがないから騙しやすいよなー。まあ、神社で拝んでも全員の願いは叶えないよ。利用価値のない貧乏人やブス、非モテ、病人、障害者や老人の願い叶えて、俺になんの得があるわけ? こっちだって願いを叶える奴は選んでるし、神に愛されちゃってる系の人はスピリチュアルや神社参拝何やっても叶わないぜ? 俺はよく知らんが、後々神が救う計画でもあるんだろう。だから叶えようとしてやっても天使が止めに来るわけよ。俺にクレームいれるなよ。これが引き寄せジプシーの原因だよな」
あやかし神社からは、社会的弱者の祈りの声も聞こえてくるが、悪魔は丸っと無視していた。
「俺は、こいつら嫌いなんだよなー。神が目にかけてるから。こいつらの願い叶えたって、逆に向こう側にころっと行きそうな感じするしぃー。聖書では悲しむ人は幸いとか書いてあるのが腹立つわなー。俺は美人と金持ちと高学歴が好きだぜ。まあ、こっちへの崇拝のエネルギーだけは頂こうとするか」
こうして人間から搾取したエネルギーで、星羅の願いを叶えていた。さらに借金が膨らんだところで、夫か子供の命を奪う計画だった。その方がより星羅が傷つくから。
「まあ、星羅の平安への願いは叶えられんよ。っていうか、それは俺でも無理な相談よ。死後の事は、神にしか答えはないぜ? 俺は神が創ったもんをパクって滅ぼす事しか出来んのよ」
そう言う悪魔の表情は、悔しそうに歪んでいた。結局、神に勝てるものは何一つ無いと思うと、 イライラとし唇を噛んだ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)
(ログインが必要です)