第25話 復縁の願い(4)完
文字数 1,855文字
繭子は、病院の天井を見つめていた。その手足はベッド上で拘束され、身動きが取れない。
そうでは無いと暴れてしまう。精神の薬を飲ませて落ち着かせていた。
繭子は、死んだ人が生き返ったという妄想や幻覚があり、家族に無理矢理精神病院に入院させられていた。
「敬哉、敬哉!」
狂った声が、病室に響いていた。
そんな繭子の様子を、天空から敬哉が見ていた。
「この女、バカ? オレオレ詐欺に引っかかるのは、ご老人だけじゃないんだな。実に哀れだよ」
イケメンエリートサラリーマンの敬哉だったが、その姿は、だんだんとツノの生えた悪魔に変えていく。
「霊的なオレオレ詐欺は、悪魔の十八番なんだよ。ごめんね? ごめーんねっ? 悪魔の俺と一体になったら、そりゃ、気が狂うよね?」
そう言いつつ、悪魔はちっとも悪びれていない。
悪魔は死んだ人間の記憶を奪う性質もあった。あの敬哉は、自分の担当の男だったし、地獄に送る直前、記憶を奪った。
そうする事で悪魔は敬哉として振る舞い、繭子を騙したわけである。
こんなオレオレ詐欺をしてる理由は、人間を騙し、自分と契約させる為だった。繭子はすっかり騙され、ついに気も狂っていたが、悪魔の性質を知らないと簡単に騙されてしまう。
「聖書だけは読むなよ、絶対読むなよ? 絶対だからな? 神を隠す為だけに俺らは仕事してるようなものさ」
悪魔は大笑いしながら、繭子の記憶も奪っていく。繭子のフリをして、また違う人間を騙すのも面白いだろう。死んだ人の声を聞く霊媒も、裏で悪魔が操ってやっている事だった。
本当は死んだ人間は神の元で管理され、悪魔も生きてる人間も誰一人関わる事が出来ない。成仏出来ない幽霊なども存在しない。よく廃墟や廃病院にいる幽霊も全部悪魔の自作自演だった。なんせ幽霊が居るという設定にしておかないと、オレオレ詐欺ができないから。祟り神についても悪魔がやってる。恨みを持ちながら死んだ人間の記憶を拝借し、自作自演していた。これは人間を怖がらせ、崇拝させる為だが。
「お、証拠隠滅はやっておかないとな。今の世界はネットがあって便利だねー」
悪魔はあやかし神社のサイト、kさんの口コミコメント、kさんと繭子とやりとりしたメールをネット上から削除していった。ちなみにkからもきっちり代償を請求し、こちらが思う通りに動いて貰っている。
あやかし神社のサイトには、エロサイトの広告が載っていたが、これは悪魔がやった事ではない。おそらく神か天使がやった事だと思い腹がたってくる。いくら広告を消そうとしても、何故か全くできなかった。
唯一の神以外を拝む事は、神目線では浮気なのだ。信仰=結婚という契約。これは神が作ったルールなので覆せない。日本の神社の周りにラブホや風俗街が多いのも、神が意図してやっているのだろう。この現実を見て、さっさと気づけ、と。日本人は信じられないだろうが、イエス・キリストが人間を「花嫁」のように思っている事なんて全力で隠したい。神と人の関係を表現する為に、男と女という性別がある事も全力で隠したいものだ。
海外から日本人女性はビッチなイメージを持たれているのも、こういった信仰の態度が具現化しているのだろう。神からすると、様々な宗教への寛容は、浮気への寛容とイコールなのだ。「いろんな宗教へ寛容です」なんて日本以外ではドヤ顔しない方が身の為だ。「私はビッチです。夫や彼氏の浮気にも理解があります」と言ってるようなものなのだ。事実、日本以外では無神論者=無教養の印象を持たれる。本当の神はこうして色々とサインを送っているのに、人間は鈍くて気づいていない。
意外と信仰という心の問題は、様々な形で具現化・現実化している。日本の神社が性的なシンボルが多く、下ネタやってるのも悪魔の本質が具現化しているわけだ。パートナーの浮気に困っていたら、神社に行かない事が、実は一番効果があったりする。神社で「夫と不倫相手の縁が切れますように」と祈る事は、自爆行為と言っていい。神社は不倫女を応援、むしろ不倫女そのもののような場所だった。
「しかし日本人はちょろいよなー。こんなオレオレ詐欺が簡単に上手くいくとは思わなかったw 他の国民は、もうちょっと警戒するんだがな。死んだ人が生き返った映画とか病人の感動ポルノで泣いる場合じゃないよ? 余命ってタイトルにつくエンタメが多すぎるね。日本人は死が潜在的に怖いんだろーなー。感動ポルノが流行っているのも日本だけだわな。繊細すぎね?」
悪魔の高笑いが響いていた。
そうでは無いと暴れてしまう。精神の薬を飲ませて落ち着かせていた。
繭子は、死んだ人が生き返ったという妄想や幻覚があり、家族に無理矢理精神病院に入院させられていた。
「敬哉、敬哉!」
狂った声が、病室に響いていた。
そんな繭子の様子を、天空から敬哉が見ていた。
「この女、バカ? オレオレ詐欺に引っかかるのは、ご老人だけじゃないんだな。実に哀れだよ」
イケメンエリートサラリーマンの敬哉だったが、その姿は、だんだんとツノの生えた悪魔に変えていく。
「霊的なオレオレ詐欺は、悪魔の十八番なんだよ。ごめんね? ごめーんねっ? 悪魔の俺と一体になったら、そりゃ、気が狂うよね?」
そう言いつつ、悪魔はちっとも悪びれていない。
悪魔は死んだ人間の記憶を奪う性質もあった。あの敬哉は、自分の担当の男だったし、地獄に送る直前、記憶を奪った。
そうする事で悪魔は敬哉として振る舞い、繭子を騙したわけである。
こんなオレオレ詐欺をしてる理由は、人間を騙し、自分と契約させる為だった。繭子はすっかり騙され、ついに気も狂っていたが、悪魔の性質を知らないと簡単に騙されてしまう。
「聖書だけは読むなよ、絶対読むなよ? 絶対だからな? 神を隠す為だけに俺らは仕事してるようなものさ」
悪魔は大笑いしながら、繭子の記憶も奪っていく。繭子のフリをして、また違う人間を騙すのも面白いだろう。死んだ人の声を聞く霊媒も、裏で悪魔が操ってやっている事だった。
本当は死んだ人間は神の元で管理され、悪魔も生きてる人間も誰一人関わる事が出来ない。成仏出来ない幽霊なども存在しない。よく廃墟や廃病院にいる幽霊も全部悪魔の自作自演だった。なんせ幽霊が居るという設定にしておかないと、オレオレ詐欺ができないから。祟り神についても悪魔がやってる。恨みを持ちながら死んだ人間の記憶を拝借し、自作自演していた。これは人間を怖がらせ、崇拝させる為だが。
「お、証拠隠滅はやっておかないとな。今の世界はネットがあって便利だねー」
悪魔はあやかし神社のサイト、kさんの口コミコメント、kさんと繭子とやりとりしたメールをネット上から削除していった。ちなみにkからもきっちり代償を請求し、こちらが思う通りに動いて貰っている。
あやかし神社のサイトには、エロサイトの広告が載っていたが、これは悪魔がやった事ではない。おそらく神か天使がやった事だと思い腹がたってくる。いくら広告を消そうとしても、何故か全くできなかった。
唯一の神以外を拝む事は、神目線では浮気なのだ。信仰=結婚という契約。これは神が作ったルールなので覆せない。日本の神社の周りにラブホや風俗街が多いのも、神が意図してやっているのだろう。この現実を見て、さっさと気づけ、と。日本人は信じられないだろうが、イエス・キリストが人間を「花嫁」のように思っている事なんて全力で隠したい。神と人の関係を表現する為に、男と女という性別がある事も全力で隠したいものだ。
海外から日本人女性はビッチなイメージを持たれているのも、こういった信仰の態度が具現化しているのだろう。神からすると、様々な宗教への寛容は、浮気への寛容とイコールなのだ。「いろんな宗教へ寛容です」なんて日本以外ではドヤ顔しない方が身の為だ。「私はビッチです。夫や彼氏の浮気にも理解があります」と言ってるようなものなのだ。事実、日本以外では無神論者=無教養の印象を持たれる。本当の神はこうして色々とサインを送っているのに、人間は鈍くて気づいていない。
意外と信仰という心の問題は、様々な形で具現化・現実化している。日本の神社が性的なシンボルが多く、下ネタやってるのも悪魔の本質が具現化しているわけだ。パートナーの浮気に困っていたら、神社に行かない事が、実は一番効果があったりする。神社で「夫と不倫相手の縁が切れますように」と祈る事は、自爆行為と言っていい。神社は不倫女を応援、むしろ不倫女そのもののような場所だった。
「しかし日本人はちょろいよなー。こんなオレオレ詐欺が簡単に上手くいくとは思わなかったw 他の国民は、もうちょっと警戒するんだがな。死んだ人が生き返った映画とか病人の感動ポルノで泣いる場合じゃないよ? 余命ってタイトルにつくエンタメが多すぎるね。日本人は死が潜在的に怖いんだろーなー。感動ポルノが流行っているのも日本だけだわな。繊細すぎね?」
悪魔の高笑いが響いていた。
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