終節「満月 3」
文字数 1,466文字
でも何となく、その空気感から真剣なものを感じ取って……。
私も一旦手を止めて、彼の視線をまっすぐ受けました。
まだ話の内容を聞いたわけではないけれど、私と彼は今、同じ気持ちでいることが伝わってきたからです。
彼の言葉を受け止めます。
私の綻ぶ口元を見て、夢月くんも安心して私に語り掛けてくれているのが分かります。
…………。
彼が私に向けてくれる心からの笑顔。
ずっと私は……こうしてくれる彼の姿を、
夢想していたような気がします。
何よりも強くそう思います。
でも……だからこそ私は、
同じ気持ちを彼に返したい。
私は前を向くことができた。
そばであなたが頑張ってくれたから、
私はあなたを励ますことができた。
そんなあなたが私を認めてくれるのなら、
私はもっとあなたを認めてあげたい。
ううん、届かなかった私の気持ち。
今ここで、現実で。
私は、あなたに直接届けます。
そんな1人の人間として。
私は、早乙女夢月くんの味方で在り続けたい。
そんな願いを込めて、精一杯の気持ちを伝えました。
夢月くんは堂々と力強く応えてくれました。
あなたと一緒に分かち合うことができて、
あなたと一緒に乗り越えることができて、本当に、良かった。
働く本当の過酷さを知りました。
場合によっては、自分の命と人の命を天秤にかけるような選択を迫られることさえあることも……。
でも……
私はそれを投げ出すことは決してしません。
どんな困難があろうとも、必ず最良の
結果を導き出すことを誓います。
大好きな人たちと一緒に……!
"眠りの園 夢うさぎ亭"。
私たちは、悩める人の心に寄り添い続けます。
今までも……そして、これからも。
『ナイキスTAS』の最新情報はTwitterをチェック!