終節「眠りの園 夢うさぎ亭へようこそ! 1」
文字数 1,383文字
私は再び夢うさぎの前に立っています。
用があるのは、
カフェ夢うさぎではなく、夢うさぎ亭……。
あの日からずっと考えていたことを伝えに来たんです。
あの日とは違う面持ちで、
あの日と同じように扉を開きます。
それだけで少し嬉しくなる自分がいました。
夢月くんとこうして顔を合わせるのもあの日以来!
元気そうで良かった!
私のそばに来て耳打ちしてきました。
でも、夢月くんと宝生さんの前では何か言うことも
できないし……紫吹さんも相変わらずです!
この2人の場合、
きっと本当にそうなのだろうと、思います。
自分から言い出すつもりだったので、
夢月くんから急に振られて少しビックリして、
言いよどんでしまいました。
今までの自分と決別しなくちゃ……。
その気持ちが前に出すぎて言葉がまとまらず、
なかなか次の言葉が続きません。
それを聞いた時、スッと胸が軽くなりました。
それこそが、今私の胸の内にある希望をくれた彼らの姿
その物だったからです。