13節「本心 2」
文字数 1,405文字
私の言葉を……想いを……。
でも――
夢月くんを助けたくて。
彼の力になりたくて。
ただそれだけを想って、私は行動しました。
それは誰かのためじゃなく、自分のため。
見ようによっては、独りよがりなのかもしれません。
けれど、それがきっと彼のためになると信じて、
勇気を持って私は自分の意志に従いました。
何故なら……
私が夢月くんから受け取ったのと同じものを
彼にも届けてあげたかったから。
彼が自分で自分を認めることができないなら
私が彼に見えていないものを教えたい。
私が彼と……同じ治療をすることで……!
けれど今は違う。
私も同じ場所、同じ立場で
あなたに言葉をかけられる。
あなたの良いところを、自信を持って伝えられる!
思わず恐怖から身震いしてしまうほどに
冷たく厳しい……拒絶の表現。
いつだって誰かを気遣って笑ってくれる彼が今、
怒りと哀しみに顔を歪めて私の前に立っている……。
あなたは私を責めないんだね。
どこまでも自分を責めてしまう、
優しすぎるあなた。
私はそんなあなたに全力で立ち向かう。
私はもっと素晴らしいあなたを
あなたに知ってもらいたいから。
あなた自身に……
それを認めてあげてほしいから!
情けなく震える声で私は叫びます。
傷つけてしまうかもしれない。
でも……どうか受け取って夢月くん……!
今の私の……精一杯の想いを!!
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