6節「夢月、考える 4 〜ある雑貨屋にて〜」
文字数 2,524文字
と言っても、実践も座学に近いとは思いますが、
夢月くんにすぐ対応するのは厳しそうです。
彼のプライベートは謎なのですが、お休みに何かあるのでしょうか?
――翌日。
香澄市は町の外に出なくても大抵のレジャーが揃う、暮らしやすい地域です。
雑貨屋さんに来てみました。
人気のカフェで働く身としては、
女子っぽいこともしておかないと!
最大規模の1つになりそうな予感……。
品揃えも豊富そうです。
どこから見て良いのやら……
周りをフラついていると……
オープン記念で今人気のアイテムが満遍なく展示されています。
お休みを邪魔しては悪いとも思いましたが、
後から確認するのも恐いので、とりあえず……。
……なるほど。
治療室の環境を整えて共感覚を得る吏星さんは、
患者さんの好みに幅広く対応できねばならない。
でもそれは夢月くんが……
いやどれだけ真剣に悩んでるんですか……!?
え……いや……
足早にその場を後にして出入り口に向かいます。
お店の自動ドアを潜って行きました。
吏星さんもこう……嘘をつくのが上手ではない人と言うか……その……いや私は別に良いんですよ……?
そんなに私に見られたくなかったんでしょうか……。
思わず大きな声で呼びかけてしまいます。
そうだとしたら――
私、なんかまずいことを……?
左から帰ることを選んで去って行きました……。
い、今のは一体……。
それとも現実――
最高にニコニコした顔で立っていました……。
なんでここに……?
どうしてここに……?どのようにここに……?
いや全部同じ質問な気がしてきましたが……
とにかく私の頭の中は最高に混乱しています……。
『ナイキスTAS』の最新情報はTwitterをチェック!