4節「挑戦 1」
文字数 1,414文字
吏星さんに問い掛けました。
どこか申し訳なさそうな口調で続けます。
お母さんは彼の言葉に困惑しながらも、
何とか苦笑いで返答してくれました。
無理もありません……。
正直夢月くんのあのテンションには、
私たちでさえ驚きだったので……。
しかし吏星さんは押し黙って、一瞬だけ罰が悪そうにしました。
きっと、彼女をより不安にさせないための、
吏星さんなりの配慮でしょう。
同行は特例で認められましたが、
治療の内容は話してはならない。
最もさじ加減が難しい決定の中で
私たちは動かねばなりませんでした。
その不自由さに複雑な思いはありますが……。
こういう事例を見ていると、致し方ない理由があるのかもしれないとは、思います。
その晴れやかな顔から"成功"の結果が伝わってきます!
夢月くんに駆け寄って深々とお辞儀をしました。
意外そうな顔で目をくりくりさせました。
お母さんはどこか寂しそうな、
申し訳なさそうな顔をしているような気が……?
吏星さんが会話を遮りました。
吏星さんは治療室に向かいました。
夢月くんがヨウタくんとの心のパイプを
しっかり繋げていれば、吏星さんは
夢の世界に入って夢魔を駆除できます。
どうか上手く行きますように……!
『ナイキスTAS』の最新情報はTwitterをチェック!