終節「眠りの園 夢うさぎ亭へようこそ! 2」
文字数 2,017文字
2人で話を始めました。
そうですよね……
夢想師という特殊な人達の中に私が入るなんて……
都合が良い……ですよね……。
それとも夢みたいな現実?
何だかよく分からなくなってきましたが、とにかく今すごく……すっごく嬉しいです! これから3人と一緒に夢うさぎの一員として働けるなんて……!
でも今はそれで良い。
分からないことがあっても、
何か理由があったとしても、
このお店で一緒に働くことができるのが、何より幸せなこと……。それだけで私には十分なんです。
流石3人でカフェを切り盛りしている人達……。
つ、付いていけるよう頑張らなきゃ……!
夢月くんは声をかける間もなく物凄い勢いで厨房に走って行き、目にも止まらぬスピードで食器を整理し始めました。
吏星さんも効率的な動きで自分の周りを整えながら、夢月くんが勢いでミスしないようにフォローして行っています。すごいコンビネーションです……!
蓮夜さんは――
基準は多分ですが……
「大変ではないこと」だと……思います……。
これで大丈夫なんでしょうか……?
蓮夜さんの肩を掴んで思いっきり引っ張りました。
何を考えているのかよく分かりません……。
どんなことが待っているのでしょう。
どんな患者さんが現れて、
私はどんな経験をするのでしょう。
今は全く想像もできません。
けれど、きっとこの4人でなら大丈夫。
困難を乗り越え、楽しい未来に辿り着くことができる。
たくさんの人に、幸せを届けて行くことができる。
彼らは私に、そう思わせてくれるんです。
あの日、私に大きな希望をくれた素敵な人達と一緒に、
私はこれから"夢うさぎ"の一員として、
誇りを持って生きて行きます!
悪夢に口付けしたあの日から"目覚めた話"。
『Nightmare Kiss...』
-The Awakened Story-
第零章
Welcome to Your Dream
完
第一章「Waxing The Moon」へ続く