11節「夢想師と共心者 3」
文字数 2,234文字
先ほどから目まぐるしく展開される情報に……
正直、翻弄され続けています……。
だとすれば……私も彼らと一緒に……他人の夢の世界に行くということに……。
夢想師と一緒に……行動する……。
夢月くんの……夢の世界に入って……。
そんなこと、今まで一度だって考えもしなかった……。
突然の話で……恐怖がないと言えば、嘘になります。
でも……今はそれ以上に――
でもこの話を聞いて、その理由もはっきりしました。
何かを隠してまで……嘘をついてまで……。
私を……皆を……夢うさぎを……。
この状況……不安なこと、不確定なことが多すぎるのは、私にだって分かります。
吏星さんの頭の中には、私の何倍もの"それ"が渦巻いているに違いありません。
私の気持ちはさっきと変わりませんでした。
彼らの身の回りの雑用くらい……。
もっと彼らの力になりたい。
そう思いながらもずっと、本当の意味で彼らの
仲間になれはしないのだろうと感じていました。
でも……そうじゃなかった。
私にも、夢うさぎにいる資格があった。
そして、夢月くんとヨウタくんを
助けるために行動できる。
それが今は何よりも嬉しい……!
誰かより自分を優先する、初めての――"私"。
優しい吏星さんにも、届けます……!
俺はいつもこうやって……
"他人のため"と誤魔化して……。
耳元で何かを……囁いているようです。
そんな甘えたことは言わない。
これは私が決めたこと。
あの日……
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