3節「”外”からの来訪者 1」
文字数 1,750文字
私たちは束の間のひと時を過ごしています。
厨房に向かって歩き出しました。
本来は私がやるべきなのですが……。
気を抜いていると、いつも先を越されてしまいます……。
器用にそれら全てを一度で運んでくれます。
平均して週に一度来客があるかないかのペースです。
準備をせずに休業するわけにも行きません。
夢想師の世界ではそれを"飛び込み"と呼んでいます。
最初はそれが当たり前だと思い込んでいました。
あの時の自分が想像以上に酷い状態だった。
その事実には、少し身の毛がよだつ思いです。
吏星さんのあの下着騒動で……。
少しだけ難航しました。
最初に治療してくれた吏星さんでは、
治療が上手く行かず……
い、言えません!!
突然扉の開く大きな音が鳴り響き、
私たちの注意を引きました。
年齢は30代前半……といったところでしょうか。
夢月くんがしっかりとなだめて行きます。
呼吸が整ってきたところで、
吏星さんが彼女に声をかけました。
自分が治療を受けた時のことを思い出します。
病院で受け取るものですが、医療機関同士で発行し合う紹介状とは別に、夢想師を統括する組織が用意しているものだそうです。
お店の裏にある専用のPCまで処理しに向かいます。
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