おまけ 6「吏星と蓮夜～完結編～」
文字数 480文字
この前の必殺技ってやつ、夢月ちゃんらしい発想で良かったよね。
幼稚と言わざるを得んが……。
だからこそヨウタ少年の治療が頓挫せずにいられる、とも解釈できる。
でも……特定の掛け声で常に同じ攻撃が出せるように心に沁みつけておくと言い換えれば、存外悪くない方法論だと思う。
試しにやってみたらどう？
吏星はトラブルに弱いしね。
……確かに一理ある。
ーーと、言うとでも思ったか。
え？
店の監視カメラの音声録音がONになっているのを確認している。それに、お前の今いる場所は丁度カメラの死角に当たる部分だ。
大方、俺が技名を言っている部分を切り抜いて"独りで練習している動画"に見せかけ、天崎にでも見せるつもりだろう。その手には乗らんぞ。
……ちぇ、バレバレか。
詰まんないなぁ。
ふん、昔の俺なら引っかかったかもしれんがな。
間違いないや。
吏星も成長してるってことだね。
当たり前だ。
……ところで、吏星。
このマスコット、夢うさぎに飾らない？
んーーーー！？！？！？
おぉ〜良い反応。
ど、どういう……
ハッ！！
そう言えばあのチラシ……！
おま、おまお前まさか……！？
そういうこと。
フフッ、まだまだだねぇ。
