恐怖(2)

文字数 354文字

「そうかな。まあ、そうかもね」

 自分でも認めたらしい。

「だって店でもいつも1人でいるじゃない?いまだに話しかけづらい時あるよ。俺に構うな的な空気を発してて。」

「そうかな?そうかもな。でも俺基本的に淋しがり屋だと思う。 」

 寂しがり屋の言葉と武田くんのイメージのギャップについ笑ってしまった。

「笑うなよ!」

「ごめん、ごめん。」

 笑わないようにしようと思うと余計笑ってしまう。

「だって淋しがり屋なんて武田くんが言うんだもん、かわいい。」

「もういいよ!」

「うそうそ。ごめんね。確かにさっきまで正美のとこでみんなでパーティーしてたから急に家に帰って1人って寂しいよね。」

「そうそう。それで電話したの。」

 ちょっと拗ねたみたいに武田くんが言った。

「そうだよね、ごめん。」

 私はこみ上げて来る笑いを飲み込んでまた謝った。
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