ガス抜き(15)

文字数 301文字

「彼と結婚したいの?」

 鈴木さんが聞いた。

「わかんない。」

 私は答えた。

「本当にこのごろはわかんなくなっちゃって。」

「でも好きなんでしょ?」

 山本くんに直球で聞かれてズキンとした。

「うーん、わかんなくなってきた。好きとか好きじゃないとか。でも別れる勇気ないの。ずっと一緒にいるし。もう家族みたい。でも最近は家族とも言えない。ただのルームメイト。」

 私は言った。

「俺達も似たようなもんだよ。長いと仕方ないかな。そんなもんじゃないの?」

 大倉くんが言った。

「ルームメイトって・・・なんか寂しい関係だな。ごめん、正直な感想。」

 山本くんが言った。

「いいんだよそれで。そんなもんだよ。」

 大倉くんはまた言った。
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