サプライズ(1)

文字数 439文字

 同棲もして休みも合わせたけれど悟が猛烈に忙しくなってからはデートはおろか休日に外食すらままならなくなった。

 せいぜい夕方から近所のスーパーに行って買物するくらい。悟は火曜か水曜のどちらか1日しか休まないのが普通になり他の日は深夜に帰宅という毎日が続いた。

 休日は疲れ果て1日中寝てばかり。そんな悟の事を頭では理解したいと思っていてもつまらなくてたまらなかった。

 ひどい時には夜まで寝ている悟を恨めしく思った。

 (こんなのなら休み合わせてる意味ない。)

 そういう思いでいつも不満だった。そしてそれが喧嘩の種だった。

 けれど私も今の職場に慣れてくると休日をそんなふうに鬱々と過ごすかわりに悟の事は諦めて正美のような友達と出かけるようになり喧嘩も減っていった。

 今となっては悟と休みが合う必要は全くないしあっても逆に疲れる。

 この日はまさにそんな日だった。私に予定がなく悟は休むらしい。悟はどうせ寝て過ごすだろうから私は一人でショッピングでもするか美容室にでも行こうかと考えていた。
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