少し寂しいもの同士(2)

文字数 539文字

 私は玄関から上がり台所にいる正美のところに行った。

「遅かったね。」

「ごめん。作ってきた。はい、これ。」

 持ってきた料理と紙皿、割り箸などを渡した。

「わぁ、よかったのに。ありがとう。」

「それからこれ。冷蔵庫に入るかな?」

 スペースを見つけてビールを冷蔵庫にしまった。

「ありがとう。そんなに気を遣わなくてよかったのに。」

「そういうわけにもいかないよ。呼んでくれただけでもありがたいのに。これくらいしなくちゃ。」

 私は言った。

「から揚げはこのまま出すね。何か手伝う?」

「いいよ、いいよ。別にすることないから。私ももうそっち行くから座ってて。」

「ありがとう。じゃあお言葉に甘えて。」

 リビングで正美の上の子のシンと武田くんと、もう一人、商品管理のアルバイトで中尾くんというわりとおとなしい男子が3人でゲームをしていた。

 下の子のアヤが何とかその仲間に入りたくてぐずっていた。

 大きくないテーブルに料理だの皿だのを乗せるといっぱいになってしまってグラスの置き場所などほとんどなかった。

「アヤ、シン、ご飯だから手を洗っておいで。」

 正美が言った。

 子供たちが手を洗いに行っている間に正美は子供に見せるアニメをつけた。

「これ見せとけばうるさくないから私たちは飲めるでしょ。」

 正美が言った。
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