親の反対(1)

文字数 263文字

 悟と付き合いだした頃、私の母親は悟にあまりいい印象を持っていなかった。

 私の友達と悟が何回かデートしていたのを知っていたからだ。母親は悟のことを軽薄だと批難した。

 私はその度にそれは誤解だと擁護したが母親は全く聞く耳を持たなかった。

「もしかして反対されてる?」

「反対って程でもないから。」

「なんでかな?」

 母親の主張の正当性はともかく、はっきりとした理由はあったけれどそれは言いにくかった。

「和枝のこと」

 しつこく聞かれて仕方なしに話した。

「え?」

「星野和枝」

「ああ」

「付き合ってたと思ってるの。誤解だって言ってるんだけど」



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