ガス抜き(18)

文字数 353文字

 春とはいえこの時間になれば肌寒い。お酒が入っていても寒く感じた。私はスプリングコートのボタンをとめて自転車をこいだ。

 ここから家までは自転車で10分弱。暗い道を走るわけでもないし別に心細いことはない。

 さっきまで話していたことを考えてながら自転車を走らせたらすぐに家に着いた。

 悟はまだ帰っていない。

 玄関の鍵を開けて暗い部屋に入った。コートを脱いでハンガーにかけ洗っておいたバスタブに湯をはった。

 髪や体を洗ってバスタブに浸かってぼんやり考えた。

 (悟、浮気してるのかな?もしそうならどうするの?私、捨てられるわけ?)

 いろんなことが悲しくて喉元が熱くなってきた。それ以上考えるのはやめようと決めて風呂から上がった。

 バスタオルをまとい化粧水をつけて髪を乾かした。ルーティンに集中して泣くのをこらえた。
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