サプライズ(3)
文字数 488文字
「どこへ行くの?」
車に乗ってからまた聞いた。悟はさっきからずっと行き先を言わなかった。
「行けばわかるから。」
車を出しながら同じ台詞を言った。腑に落ちないような、それでいてどこか浮き立つような気持ちで助手席のシートベルトをした。
走り出してもどこに行くのか全く検討がつかなかった。悟は運転中はたいていラジオを聞いている。しかも音楽でさえない。
遊びで乗る時くらいは好きな音楽を聴きたいところではあったけれど「交通情報聞くからラジオじゃないとだめ。それに眠くなるし。」という理由でどんな時も却下された。
普通のラジオ番組ならましだ。野球中継やサッカー実況放送なんかを聞いている時は興味ない私にとっては本当に退屈きわまりない。
しかもそういう実況放送中はうっかり話しかけると「シッ!」などと言われてしまうこともよくあった。
話しかけにくいと言えば首都高の合流手前あたりでは話しかけるなと言われていた。
だから悟とのドライブは少し緊張するし疲れる。そして退屈だ。
それでもこの時は久しぶりのドライブがうれしかった。走るうちにだんだんとどこへ行くんだろうと期待が大きくなっていった。
車に乗ってからまた聞いた。悟はさっきからずっと行き先を言わなかった。
「行けばわかるから。」
車を出しながら同じ台詞を言った。腑に落ちないような、それでいてどこか浮き立つような気持ちで助手席のシートベルトをした。
走り出してもどこに行くのか全く検討がつかなかった。悟は運転中はたいていラジオを聞いている。しかも音楽でさえない。
遊びで乗る時くらいは好きな音楽を聴きたいところではあったけれど「交通情報聞くからラジオじゃないとだめ。それに眠くなるし。」という理由でどんな時も却下された。
普通のラジオ番組ならましだ。野球中継やサッカー実況放送なんかを聞いている時は興味ない私にとっては本当に退屈きわまりない。
しかもそういう実況放送中はうっかり話しかけると「シッ!」などと言われてしまうこともよくあった。
話しかけにくいと言えば首都高の合流手前あたりでは話しかけるなと言われていた。
だから悟とのドライブは少し緊張するし疲れる。そして退屈だ。
それでもこの時は久しぶりのドライブがうれしかった。走るうちにだんだんとどこへ行くんだろうと期待が大きくなっていった。