どうせ1人だし(9)

文字数 278文字

「じゃあ明日はうちにおいでよ。たいしたことするわけじゃないから気にしなくていいよ。」

「本当にいいの?」

「そうしなよ。嫌じゃなかったらうちは全然構わないから。」

「じゃあ材料買っていく。私も作るよ。」

「ラッキー!ミオが料理作ってくれるって。」

 正美が子供に言った。

「俺も行っていい?」

「もちろん。商管の他の子も連れてくれば?」

「ありがとう。」

 嬉しかった。店の仲間でここまで親しくなったのは初めてだ。

「狭くて汚いからびっくりするよ。」

「うちだってそうだよ。」

「彼氏大丈夫?」

「大丈夫も何も。どうせいないし。」

 どうせ1人だし。いつもそう思っていた。この日まで。
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