批難されること?(2)

文字数 484文字

 正美の方が15分契約が長いのでゆっくり着替えて待った。

「ごめんね。待たせて。」

 正美が出てきた。

「待ってないよ。行こう。」

 正美と帰宅するのは久しぶりだった。途中の別れ道までは方向は一緒だ。そこまでは黙って走った。別れるところにきて止まった。

「うちに来る?」

 私は聞いた。

「ううん、アヤ迎えに行かなきゃいけないからさ。立ち話もなんだけど。」

 そう言って一呼吸置いた。

「聞いておきたくて。」

 私は正美の話を待った。

「武田のことなんだけど。」

 正美は大きく息をつき少しためてから言った。

「武田はミオのことが好きなんだと思う。」

 正美が言った。私は何か言おうとしたが結局言葉を飲んだ。正美は下を向いて続けた。

「いいの。それはもうわかってるから。否定しなくても。」

「そんなんじゃないよ。」

 私の言葉は上滑りしているみたいに響いた。

「ミオも気づいてるはずだよ。」

 正美は私の言葉に取り合わず断言した。私は黙っていた。

「私が聞きたいのは」

  正美は顔を上げて私の方をひたと見た。

「聞いておきたいのはミオの気持ち。ミオは武田のことどう思ってるの?」

 正美は私をまっすぐ見て言った。
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