第82話 講談社シゲタさんに頼まれて書いた「V系総括」(2020.09.18.)
文字数 1,958文字
SNSというのは凄いもので、普通は会話出来ないようなひとと会話することもあります。ワナビな僕ですが、講談社の名物編集者のシゲタさんと相互フォロワという縁で、数年前まではSNSで会話をすることがありました。
シゲタさんがビジュアル系について総括しようと(個人的に、だと思います)していて、僕に突如V系総括をしてください、とSNSでさらりとリプライをくださりましてですね……いやー、この話は、2020年の話なのですが、シゲタさんと言えば講談社ラノベ文庫のレジェンド編集者さんですよ、僕、本気で挑むしかなくなって、確か散歩しながらプロット組んで、帰宅と同時にテキストエディタで勢い付けて書いて、その日のうちにシゲタさんに提出して(笑)、お褒めの言葉までいただいちゃって書いた甲斐があったな、と思ったわけですが、「小説投稿サイトにこのときのこと、掲載しちゃダメだよな……」と自制していたのですよ。でも、時代は流れ、今は2024年。シゲタさんも忙しくて僕、成瀬川るるせなんて名前も忘れているんじゃないか、ということで、そのときの文章を掲載します。シゲタさんのツイートを確認しないで貼り付けてしまいますが、諸事情ありましたら連絡ください。そのときはどうにかしますね。
では、以下、そのやりとりおよび、成瀬川るるせによるビジュアル系。
どうぞ!!
シゲタ(漫画編集者)
@shigetayuu
@rulerse
いいねしていただいたからには成瀬川さんが思うV系の総括をお聞きしたいです!
午前2:51 · 2020年9月18日·Twitter for Android
成瀬川るるせ
@rulerse
返信先:
@shigetayuu
さん
ROCKIN'ON JAPANではじめてビジュアル系が掲載されたのは記憶によるとhideの生前最後のインタビューで、zilchを結成してマリリン・マンソンと対バンやる予定があったとき。一方、マリスミゼルを大きく取り上げた最初はクイック・ジャパンでした。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
〈バンドの醸すストーリー〉を見せたい部分があるV系は、ロキノンとの合流で、醸したものでなく〈バンドの結成からのストーリー〉を語りだし人間味を出しはじめる。ラルクとか。一方、クイックジャパンのようなサブカルにも対応出来るバンドだってあったわけです。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
それでも、V系がロキノンで一万字インタビューなんかするようになって、バンド雑誌バンやろでキッズたちのアイドルになってシグネイチャーのギター売る方向とは別のルートができたのは事実。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
そのV系の偶像は剥がれるメッキだけど、メッキを〈ネタとして〉出す風潮がバンド側にもファン側にもいつの間にか出てきたように思います(その後継はイケメン演劇、イケメン舞台だと僕は考えます)。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
関係者に聞いたらV系は内部事情はかなり体育会系で、上下関係が厳しかったらしい。でも、ネタとして消費されるに足る方向性、お茶の間だったり、逆に演劇性だったりを強化していくことで、(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
バンドマン特有の体育会系とは違う意味での体育会系、つまり〈芸能人化〉をしていったようにも思えます。クスッと笑えるような。それは世間一般に認知されたことと同義で。V系の〈種族としての〉牙が抜かれたのかもしれない。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
今は、ビジュアル系の雑誌SHOXXは休刊しました。先鋭的、尖ったパフォーマンスが世間と迎合してしまい、アングラで尖った小劇場演劇系の劇団を追うのと同じような快楽を提供できなくなったのかもしれない。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
「V系に音楽性なんてない」と言われた時代から、逆に今は「V系の音楽性だけが残ってしまった」時代になってしまい、ビジュアル自体は〈添え物〉や様式美として残ってるのではないか、と。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
それは90年代に出版社が主導して〈J文学〉というのを売り出したその顛末と、どこか似ているようにも思えるのです。(おわり)
シゲタ(漫画編集者)
@shigetayuu
面白かったです。ありがとうございます!
V系の一側面を現在2.5次元舞台といった媒体が担っているというのは慧眼だと思います。
また論の起点をzilchに置かれているのは目から鱗です。ため息が出ました。
98年に焦点を当てて持論を再構成してみたく思います。
発表できた際はぜひまた聞いて下さい!
終わりに:シゲタさんが老後あたりに(笑)趣味でなにか論考の本や雑誌を出版するときでも、ぜひとも僕も呼んでほしいと思います!!
シゲタさんがビジュアル系について総括しようと(個人的に、だと思います)していて、僕に突如V系総括をしてください、とSNSでさらりとリプライをくださりましてですね……いやー、この話は、2020年の話なのですが、シゲタさんと言えば講談社ラノベ文庫のレジェンド編集者さんですよ、僕、本気で挑むしかなくなって、確か散歩しながらプロット組んで、帰宅と同時にテキストエディタで勢い付けて書いて、その日のうちにシゲタさんに提出して(笑)、お褒めの言葉までいただいちゃって書いた甲斐があったな、と思ったわけですが、「小説投稿サイトにこのときのこと、掲載しちゃダメだよな……」と自制していたのですよ。でも、時代は流れ、今は2024年。シゲタさんも忙しくて僕、成瀬川るるせなんて名前も忘れているんじゃないか、ということで、そのときの文章を掲載します。シゲタさんのツイートを確認しないで貼り付けてしまいますが、諸事情ありましたら連絡ください。そのときはどうにかしますね。
では、以下、そのやりとりおよび、成瀬川るるせによるビジュアル系。
どうぞ!!
シゲタ(漫画編集者)
@shigetayuu
@rulerse
いいねしていただいたからには成瀬川さんが思うV系の総括をお聞きしたいです!
午前2:51 · 2020年9月18日·Twitter for Android
成瀬川るるせ
@rulerse
返信先:
@shigetayuu
さん
ROCKIN'ON JAPANではじめてビジュアル系が掲載されたのは記憶によるとhideの生前最後のインタビューで、zilchを結成してマリリン・マンソンと対バンやる予定があったとき。一方、マリスミゼルを大きく取り上げた最初はクイック・ジャパンでした。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
〈バンドの醸すストーリー〉を見せたい部分があるV系は、ロキノンとの合流で、醸したものでなく〈バンドの結成からのストーリー〉を語りだし人間味を出しはじめる。ラルクとか。一方、クイックジャパンのようなサブカルにも対応出来るバンドだってあったわけです。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
それでも、V系がロキノンで一万字インタビューなんかするようになって、バンド雑誌バンやろでキッズたちのアイドルになってシグネイチャーのギター売る方向とは別のルートができたのは事実。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
そのV系の偶像は剥がれるメッキだけど、メッキを〈ネタとして〉出す風潮がバンド側にもファン側にもいつの間にか出てきたように思います(その後継はイケメン演劇、イケメン舞台だと僕は考えます)。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
関係者に聞いたらV系は内部事情はかなり体育会系で、上下関係が厳しかったらしい。でも、ネタとして消費されるに足る方向性、お茶の間だったり、逆に演劇性だったりを強化していくことで、(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
バンドマン特有の体育会系とは違う意味での体育会系、つまり〈芸能人化〉をしていったようにも思えます。クスッと笑えるような。それは世間一般に認知されたことと同義で。V系の〈種族としての〉牙が抜かれたのかもしれない。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
今は、ビジュアル系の雑誌SHOXXは休刊しました。先鋭的、尖ったパフォーマンスが世間と迎合してしまい、アングラで尖った小劇場演劇系の劇団を追うのと同じような快楽を提供できなくなったのかもしれない。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
「V系に音楽性なんてない」と言われた時代から、逆に今は「V系の音楽性だけが残ってしまった」時代になってしまい、ビジュアル自体は〈添え物〉や様式美として残ってるのではないか、と。(つづく)
成瀬川るるせ
@rulerse
それは90年代に出版社が主導して〈J文学〉というのを売り出したその顛末と、どこか似ているようにも思えるのです。(おわり)
シゲタ(漫画編集者)
@shigetayuu
面白かったです。ありがとうございます!
V系の一側面を現在2.5次元舞台といった媒体が担っているというのは慧眼だと思います。
また論の起点をzilchに置かれているのは目から鱗です。ため息が出ました。
98年に焦点を当てて持論を再構成してみたく思います。
発表できた際はぜひまた聞いて下さい!
終わりに:シゲタさんが老後あたりに(笑)趣味でなにか論考の本や雑誌を出版するときでも、ぜひとも僕も呼んでほしいと思います!!