第43話 筆持て立て。剣を取る者は皆、剣で滅ぶ【第九話】
文字数 561文字
☆
そのとき、空から黒い雨が降った。
雨に打たれながら、さっき見かけた、ワインレッドセンターの面々がガスマスクを付けたまま、アートタルタロスの、僕らの前に姿を現す。
瀬川平原が、ガスマスク越しに、言葉を吐きだす。
「〈白い咎狗 〉がやってくるぞ」
僕は言葉を反復してしまう。
「白い咎狗?」
……なんだ、白い咎狗って?
その言葉に、びくりと震える破魔矢式猫魔。
「来るって言うのか、……ハンバートが」
瀬川平原が答える。
「暗部の人間は皆知っているぞ、破魔矢式猫魔。ハンバートも、ハンバートが連れていた〈少年〉のことも、な」
猫魔はかがみ込んで、絶叫する。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!」
黒い雨に打たれながら、僕らは次のステージに進むしかないのを、嫌でも知ることになる。
そのとき、水戸の市街地が爆発で跡形もなく消し去って、大きなクレーターが出来たのを、爆発音、次いで地震が起こり、鳴り響く市内の緊急警報で知ることになった。
どうやら、敵がやってくるらしい。
そいつが、白い咎狗・ハンバートであることは、管理人、ブレイク・山田の発言を聞くまでもなく、わかりきったことだった。
あの夢は、やはり猫魔の〈過去〉だったのだ。
〈次章へつづく〉
*注:と、百瀬探偵結社綺譚の幻の第二部冒頭でした!!
そのとき、空から黒い雨が降った。
雨に打たれながら、さっき見かけた、ワインレッドセンターの面々がガスマスクを付けたまま、アートタルタロスの、僕らの前に姿を現す。
瀬川平原が、ガスマスク越しに、言葉を吐きだす。
「〈白い
僕は言葉を反復してしまう。
「白い咎狗?」
……なんだ、白い咎狗って?
その言葉に、びくりと震える破魔矢式猫魔。
「来るって言うのか、……ハンバートが」
瀬川平原が答える。
「暗部の人間は皆知っているぞ、破魔矢式猫魔。ハンバートも、ハンバートが連れていた〈少年〉のことも、な」
猫魔はかがみ込んで、絶叫する。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!」
黒い雨に打たれながら、僕らは次のステージに進むしかないのを、嫌でも知ることになる。
そのとき、水戸の市街地が爆発で跡形もなく消し去って、大きなクレーターが出来たのを、爆発音、次いで地震が起こり、鳴り響く市内の緊急警報で知ることになった。
どうやら、敵がやってくるらしい。
そいつが、白い咎狗・ハンバートであることは、管理人、ブレイク・山田の発言を聞くまでもなく、わかりきったことだった。
あの夢は、やはり猫魔の〈過去〉だったのだ。
〈次章へつづく〉
*注:と、百瀬探偵結社綺譚の幻の第二部冒頭でした!!