p130

文字数 435文字

「いいや。リョウはツル太郎と分離してから菌類が感知できないほど減ってしまって、行方が追えない状態だった。俺がお前に出会ったのは偶然だったのか、BM菌に俺がおびき寄せられたのか・・・・・・。だが、お前が怪しかったから、俺は自分の欠片を置いて行った。そしたら、案の定」


「捕食者としての能力が色濃く受け継がれたのに、菌類が感知できないほど少ないって、変じゃないか? 」


「量と質は別物だ」


「リョウはオレの中に、どうやって入ったんだ。それに、こんなオレの中にいたいとか、溶けてオレになりたいなんて・・・・・・」

「本人に聞け」

「どうやって」

「俺はもう寝る」

「またリョウに会える? 」

「リョウにその気があれば」

「いつ会える? 」

「俺はもう寝るって言っただろ。ナラタケをたんまり食って眠いんだ。リョウとツル太郎の出産も控えている。休ませろ」

「待って、まだ聞きたいことが」

「おやすみ、ソロ。白山羊の女王にヨロシク」

 ガラテアがキャピタルの鼻歌を口ずさんでいる。その音が、遠ざかっていった。


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