異種族レビュアーズ #3

文字数 725文字

 ――少しは女の気持ちになって考えなよ。
 元カノにそんな三行半(みくだりはん)をたたきつけられてお別れしたのは、たしか一昨年の十二月初頭のことだったろうか……。
 ケンカになった理由は、とても単純なことだった。
 歳をとってすっかり枯れてしまった筆者が、めんどうくさ……いや、いささか気後れしてしまって、元カノが求めるときにあっちの相手をしなかったからだ。
 そこそこの年齢差があったため、この辺は肉体的にいたし方ないことだとも思ったが、女性側からしてみれば、これは「女としての魅力がなくなった」――ともとれてしまうらしい。いわれてみれば、ごもっともである。
 そこで筆者はふかく反省し、一生懸命に考えた。
 どうすれば、男である筆者が女性の立場になることができるのか?
 そしてそんな筆者がたどり着いた結論が、完全女性上位でなすがままにされ、マッチョな男根主義を根こそぎに悔い改めさせてくれる場所。「手足を拘束されひたすらナニの頭をお姉さんに磨いてもらう」というコアなプレ……特殊な修行ができる鍛錬場での精神修養だった。
 ときはくしくも、その年のクリスマス。
 みだらな煩悩を断ち切るには、うってつけの聖なる夜である。
 さすがに今作のように性転換こそできなかったものの、そのめくるめく倒錯のひとときは、筆者の心に巣食う身勝手な男尊思考を徹底的に撲滅せしめてくれた。
 お目汚しになるので詳細をのべることは控えさせていただくが、なかなか貴重な体験をさせてもらったことだけをここに記して、今回も日誌の締めくくりとしようかと思う。
 ……え、ちょっと待って、うそ、そんなとこまで? はうぁッ!?
#本日のアニメ鑑賞日記 #異種族レビュアーズ3話

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み