バビロン #11

文字数 754文字

 ここでようやくあかされる、大いなるバビロン(大淫婦バビロン)の名称。
 神の門、ともされる古代都市バビロンを新域に被せつつ、ダブルミーニングでこの名前を仕込んでいた作者の手並は、さすがといわざるを得ないだろう。
 さておき――。
 G7サミットの席上で進行する、全会一致での善悪の論争。まさにリアルスティックファンタジーともいえる場面ではあるが、どうせファンタジーを見るなら、愚にもつかない「なろう系ファンタジー」などよりも、こういうファンタジーのほうが筆者などはよっぽど心地がいい。
 とはいえ問題は、その議題の最終局面において取りだたされる「トロッコ問題」と「臓器くじ」のお話……。
 じつはこれについては、筆者なりの全部がまるくおさまる答えをもっている。
 それが、「解答者である筆者が命をかけてトロッコを止める」と、「選ばれた対象者の代表として筆者自ら臓器提供を名乗り出る」だ。
 この第三の選択肢によって作業員は全員助かるし、臓器提供を待つ患者も白羽の矢が立った提供者もすべて救われ、生粋のナルシストである筆者も美談として未来永劫に名を語り継がれて一石二鳥……いや、三方まるくおさまるので、三鳥といったところだろうか。
 ――ただしこれは、いうまでもなく「自殺」である。
 つまりこの議論におよんだ時点で、局面は曲世愛の手のうちといってもいい。
 そんな妄想に駆られて、筆者の背筋をまたぞろ悪寒が走りぬけた。
 その矢先にライブ中継で登場する、(おそらくは)曲世愛本人と思われる自殺志願者……もはやどう集束するかわからない物語の結末に、興味津々というほかの言葉が見つからない。
 月並みすぎるコメントで恐縮の限りだが、次回の放送が心から楽しみである。
#本日のアニメ鑑賞日記 #バビロン11話

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