バビロン #12

文字数 756文字

 ……さて、では自殺法について少し思ったまま語ろうか。
 唐突だが、筆者の父親がきのう出先で転倒し、重度の脳出血で緊急搬送されたのだが、六時間におよぶ開頭手術のすえ、一命をとりとめたものの、言語野と右半身にそれ相応の障害が残ることが確定した。
 もちろん、こんなことはネタで報告することではないし、怒涛の対応に追われ疲れ切った筆者も、二日遅れで今作を確認するまで、これを記すつもりはなかった。
 くり返し述べるが、これはけっしてネタではない。
 さておき――。
 一夜明けて概ねの事務処理を終えたあと、今日、午後一で集中治療室の父に面会がゆるされ筆者が会いにいったときのことである。
 ほんの、数時間前の話だ。
 徹夜明けで意識朦朧のまま業務シナリオを書き終え、昨夕から風呂も飯もまだのままベタベタの見苦しい身なりでマヒして冷たい父の手にふれた筆者に、どうやら意識が戻ったらしい父が気づいたときことだ。人工呼吸器がやっと取れ、なんとか動く左半身、手足口まぶたすべてを駆使し、父は筆者に意味不明になにかもがいてみせた。
 その真意など、無能な筆者にはかるすべなどない。
 だがそれは、父の精一杯の願いを込めた必死の訴えのようにも筆者は感じた。
 ……まぎれもなく、野崎まどは天才である。
 その才能を見出した講談社に最上級の敬意を払うとともに、いまの筆者の心境に説得力のある反論を提示できるレビュアーを、心から募集したいと思う次第。
 もちろんそれが、おためごかしの俺自慢レビューなどでないことを、心の底から願っている。……誰か、おれを救ってくれるレビュアーはいないだろうか?
 とまぁ、これは本編には関係のない、筆者の埒もない戯言ではあるのだが……。
#本日のアニメ鑑賞日記最終章 #バビロン12話(最終話)

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