地縛少年花子くん #2

文字数 667文字

 そうか。むしろこれは、ゆるい「ドロロンえん魔くん」か。
 さておき――。
 怪異はひとのうわさに縛られる。
 だからうわさでそれを打ち消してほしい。
 前回の日誌にも書いたが、このあたりは都市伝説の特性を盛り込んで、伝承の仕組みをひも解きながらじつにうまくドラマを紡ぎあげている。
 すでに流布したうわさをむやみに壊さず、解決策をつけ足す方向性もすばらしい。
 うわさ話というのは、下手にいじればよけいな尾ひれを増やすだけなのだから。
 花子くんが包丁を武器として使うのも、実際の花子さん伝承――
「遊びましょ」「なにして遊ぶ?」「おままごと!」
 と答えると包丁で殺される――からきているのだろうし、次回の「ミサキ階段」の元ネタにしても、おそらく七人ミサキあたりからきているのだろう。
 作者さんのふかい知識と造形力には、筆者もおなじオカルト系創作者として、心からの敬意を抱かずにはいられない。……ただしソマリと一緒で、アニメという媒体においては、やはり地味といわざるを得ないのもたしかだ。
 こういう作品は、その手のジャンルに目のない読者が単行本で揃え、「おお、やっぱりこのひとわかってるわ!」と、ニッチに楽しむものである。
 アニメ化するならもっと枠を選ぶなり、有料配信でそっち系のファンを対象にするなり、いろいろやりようがあったろうとは正直思う。
 その点に関しては、制作陣の失策を恨まずにはいられない。
 これではファンでもない視聴者に踏み荒らされて、原作が可哀そうだ。
#本日のアニメ鑑賞日記 #地縛少年花子くん2話

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