乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… #1

文字数 820文字

 いわずと知れた、筆者の大嫌いな「なろう系」。
 もちろん他作品よりも厳しい目線で視聴に臨んだし、名うての偏見老害ライターとして、人気作でも無暗によいしょする気もない。
 だがしかし――。
 今期で一番気になっていたのも、じつはこの作品だったりはする。なぜなら俺ツエーチート無双の虚無はよく知っていても、悪役令嬢ものは今作が初めてだったから。
 そして、視聴してみた結論。
 ……なろうのくせに、なかなかやるじゃねーか。
 ぶっちゃけ気になってさっきまでなろうで原作を読んでいたのだが、チラ読みするだけのつもりがアニメのちょっと先までうっかり一気読みしてしまっていた。
 確かに文章自体は拙いといえば拙いものの、妙にリーダビリティーが高いというか、なろう特有のくどくてしつこい粘着描写もなく、要所要所で必要な情報だけ小出しで見せる基本テクニックが作者さんに備わっているせいか、するするとどこまでも読み進めてしまうのだ。
 まったくもって、筆者もヤキがまわったものである。
 なによりチートだよりの無能ごく潰し主人公と違い、自力で運命に立ち向かってゆくその気概たるや良し。さらに原作ではエピソードごとに各攻略対象視点のまとめも入るので、全体の仕組みも俯瞰で読み取れてわかりやすかった。
 ようはヒロインの行動がまわりの人間の価値観を変えてゆく、ひと昔前の少女漫画チックな王道ストーリーなのだが、ここぞというときのヒロインの行動原理が「おせっかい」ではなく「基本は保身のためのフラグブレイク」にもとづいているので、男目線から見ても不可思議な薄気味悪さを感じさせないところが好感触。
 つまこれは、ご都合主義を極力おさえた「はいからさんが通る」なのだと思う。
 なんにせよ、前期の防振りにつづいてまた今期もなろうにしてやられた。まさかこの筆者が、なろう作品を心待ちにする日が来ようとは。くやピク……。
#本日のアニメ鑑賞日記 #はめふら1話


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