バビロン #9

文字数 585文字

 前回からはじまった新章により、舞台が一気に広がりをみせた本編。
 視聴者をあえてケムに巻くような作りは相変わらずながら、ようやくこの長かった物語も、おぼろげながら焦点がみえてきたようにも思う。
 それがおそらく正崎さんの持っている、曲世愛への耐性というか共感性……。
 共感性というと首をかしげるひともいるかもしれないが、作中ですでにくり返し語られているように、善と悪とは表裏一体の定義。くらぶるべきもない、まったく同質なもの。つまり正崎さんが曲世に魅入られない、もしくは誰よりも強く魅入られている理由は、ふたりの価値観が本質的に合致しているからだともいえる。
 それに、もともと自殺法がどうのう、死ぬための権利がどうのうという今作のメインテーマ自体が、リアル世界を鑑みても決着のつきようのない、本来は受け手に答えを委ねるべきデリケートな問題だ。
 作品の特性上それはあえて突きつめるべき部分ではないし、突きつめて何某かのお安い結論を出すほど、今作はお子様むけでもないだろう。
 結局のところ今作の終着点は、正崎さんと曲世愛の愛憎ドラマのゆくえ……といったところに落ち着くような気もしている。
 ともあれ――。
 ここまできたからには、最後まで楽しくつきあわせてもらうしかあるまい。現実世界を委ねられた、一観客の身としては。
#本日のアニメ鑑賞日記 #バビロン9話

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