第56話 2月11日。団らん。

文字数 1,220文字

11日の午前10時頃、隆太さん達は宿泊した僕の実家から、軽自動車で僕の家に戻ってきた。
朝に僕の実家を出て、実家近くのスーパー銭湯でゆっくり朝風呂に浸かってきたそうだ。
温泉帰りで4人とも血色の良い顔色をしている。

しばらく僕の家でまったりしたあと、お昼ご飯でも食べに行くことになった。
僕としては普段珠洲でお世話になっているので、奮発してお寿司でもご馳走しようかと考えたが、新鮮な魚は珠洲でいつでも食べられるし、もっと気楽なお店がよいということになった。

お義父さんは、金沢に来たからにはチャンピオンカレーで「Lカツ」を食べたいと主張。
隆太さんは「絶対、㐧7ギョーザ。ホワイト餃子や」と強く主張した。
どちらも金沢を代表するB級グルメで、能登では気軽に食べられない。
ただお義母さんと清恵さんとレイちゃんの三月家の女性陣からは不評で却下された。

結局ははるき君が主張した「かつや」と、ともき君が主張した「餃子の王将」で争ったが、多数決で「餃子の王将」に決まった。

確かにどちらのチェーン点も珠洲にいては気軽に食べられない。
メニューが豊富な餃子の王将が女性陣の人気を博した。

2台の車で出発し、僕の家からは少し距離がある餃子の王将に着いた。
「メニューがありすぎて迷うな。。。」
座敷に案内され、はるき君とともき君は真剣にメニューとにらめっこを始めた。
「じゃあ僕は中華飯大盛りと餃子」
「僕は、、、天津飯大盛りと餃子!」
二人は熟考を重ねメニューを決めた。
さらに唐揚げも半分づつ食べたいということで、育ち盛りの大盛りメニューとなった。

みんな好きなものを美味しく食べて、楽しい時間を過ごすことができた。
リーズナブルなお店となってしまったが、せめてここだけでもお会計しようとしたが、いつの間にか清恵さんが支払いを済ませてくれていた。
逆に奢られてしまい申し訳ない。

家に戻ってしばらく腹ごなししてから、三月家の4名は珠洲で手に入りづらい商品を買うためにスーパーやホームセンターに寄る予定だ。
買い出しが終わったらその足で珠洲に戻る。
「じゃお前らしっかり勉強せいよ」
「体に気をつけてな」
「おじいちゃんも、お酒飲みすぎないように」
「わかったわかった」
「先生のいうことをよく聞いてね」
「困ったら連絡せえよ」
「お父さんくれぐれも無茶しないでね」
「わかっちょる。お前も子育て頑張れよ」
「珠洲のおじいちゃん、おばあちゃん、また来てね!」
「うん。また会いに来るね」
それぞれ名残惜しそうに言葉を交わし、三月家の4人を乗せた軽自動車は出発した。
それを見送ると僕もはるき君とともき君を車に乗せ、再び医王山スポーツセンターに送っていった。

短い時間だけど、三月家の6人が揃い、子育ても忙しくてなかなか珠洲に行けないレイちゃんもお義母さん達と会うことができ、楽しい時間を過ごすことができた。
最近週末遊んでやれていなかった、聡と春香も楽しそうだった。
このような自分たちの時間も大切にしていこうと強く感じた。
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