第46話 1月26日。疲労。
文字数 1,341文字
清恵さんと僕は医王山スポーツセンターで各種手続きをして、はるき君、ともき君は医王山スポーツセンターでの暮らしを開始した。
清恵さんは2人の息子たちが友人達と再会を喜び合う光景を見て、何も心配ないと安心し、今週末珠洲に帰ることを決めた。
聡と春香はお兄ちゃん達が居なくなった日常に最初はぐずっていたが、小さい子の順応の早さもあり、すぐに現在の暮らしに慣れていった。
平日は僕とレイちゃんは日中テレワーク、夜は支援の準備を続けている。
今週末の明日27日からは、もう一つ別の孤立した集落の避難所にも行こうかと計画している。
26日のお昼ご飯を食べる前、僕は少し寒気がして熱を測ると37.3度の微熱があった。
食欲もなかったので、お昼は食べず少し休んだ。
午後の勤務で、設計事務所内の打ち合わせのリモート会議を繋げた。
「あれ?ナオ、顔色悪いんじゃないか?」
リモート会議に繋げた途端、所長より顔色の悪さを指摘された。
「ちょっと微熱があるようで。昼間休んでだいぶ楽になりました」
本当は休んでもあまり状態は変わっていなかったが、元気そうに振る舞った。
「いや、顔色が悪い。休んだ方がいいんじゃないか」
「大丈夫です」
「この前ブルーシートを届けに行った時にレイちゃんも心配していたぞ。
お前が無理しすぎてるんじゃないかって。
毎日仕事が終わった後に買い物や色んな調整をしているんだろ?
そして毎週末珠洲なら、元旦から全く休んでないんでないぞ」
確かに今年になってから一日、いや数時間もまとまって休んでいないかもしれない。
「けど、珠洲で避難している人たちの方が何倍も大変です。
僕たちを待ってくれている人もいます。
大丈夫です」
「いや、駄目だ。少し休め。
おし、今週末は俺が代わりに珠洲にいっちゃる」
「えっ、そんな」
「お前から大体の話は聞いているし、今週末は清恵さんや柳君やTAKUさんも支援に行くんだろ?
なら道中色々教えて貰うので、お前は休んで家庭サービスでもしてろ」
「けど、、、」
「まぁ休め。
お前の代わりは100%はできんかもしれんが、80点ぐらいはとれるやろ。
ナオが轍(わだち)を作ってくれたお陰で、俺はその道を進んでいけばいいんやし大丈夫だ。
お前が過労で倒れたら、うちの設計事務所の仕事も、これからの珠洲の支援にも支障が出るやろ。
そうならんように今週末は休め。」
僕が行かないと、と言いかけたが、確かに僕がダウンしてしまってはこれまで培った支援も継続できなくなるかもしれない。
「お前は根が真面目なのに加え、被災したのに金沢に戻った後ろめたさもあって一生懸命支援を続けたんだと思う。
ただ支援を今後も継続していくためには、全部自分でやっていては駄目だ。続かない。
徐々に任せるところは任せても続いていくようなことを考えないとな」
リーダータイプと言うより、リーダーの後ろに点いてサポートしていくタイプの僕が、今回の支援ではずっと先頭で走っていた。
それがそろそろ限界だと、所長は一段上の視点から感じていたのかもしれない。
幾つか仕事の引き継ぎした後、午後からは休みにさせて貰った。
清恵さんとレイちゃんに経緯を伝え、柳さんにも今週末は所長が行く旨などをメールで送って横になった。
熱は上がり続け、その夜久々に39度近い高熱が出てダウンした。
清恵さんは2人の息子たちが友人達と再会を喜び合う光景を見て、何も心配ないと安心し、今週末珠洲に帰ることを決めた。
聡と春香はお兄ちゃん達が居なくなった日常に最初はぐずっていたが、小さい子の順応の早さもあり、すぐに現在の暮らしに慣れていった。
平日は僕とレイちゃんは日中テレワーク、夜は支援の準備を続けている。
今週末の明日27日からは、もう一つ別の孤立した集落の避難所にも行こうかと計画している。
26日のお昼ご飯を食べる前、僕は少し寒気がして熱を測ると37.3度の微熱があった。
食欲もなかったので、お昼は食べず少し休んだ。
午後の勤務で、設計事務所内の打ち合わせのリモート会議を繋げた。
「あれ?ナオ、顔色悪いんじゃないか?」
リモート会議に繋げた途端、所長より顔色の悪さを指摘された。
「ちょっと微熱があるようで。昼間休んでだいぶ楽になりました」
本当は休んでもあまり状態は変わっていなかったが、元気そうに振る舞った。
「いや、顔色が悪い。休んだ方がいいんじゃないか」
「大丈夫です」
「この前ブルーシートを届けに行った時にレイちゃんも心配していたぞ。
お前が無理しすぎてるんじゃないかって。
毎日仕事が終わった後に買い物や色んな調整をしているんだろ?
そして毎週末珠洲なら、元旦から全く休んでないんでないぞ」
確かに今年になってから一日、いや数時間もまとまって休んでいないかもしれない。
「けど、珠洲で避難している人たちの方が何倍も大変です。
僕たちを待ってくれている人もいます。
大丈夫です」
「いや、駄目だ。少し休め。
おし、今週末は俺が代わりに珠洲にいっちゃる」
「えっ、そんな」
「お前から大体の話は聞いているし、今週末は清恵さんや柳君やTAKUさんも支援に行くんだろ?
なら道中色々教えて貰うので、お前は休んで家庭サービスでもしてろ」
「けど、、、」
「まぁ休め。
お前の代わりは100%はできんかもしれんが、80点ぐらいはとれるやろ。
ナオが轍(わだち)を作ってくれたお陰で、俺はその道を進んでいけばいいんやし大丈夫だ。
お前が過労で倒れたら、うちの設計事務所の仕事も、これからの珠洲の支援にも支障が出るやろ。
そうならんように今週末は休め。」
僕が行かないと、と言いかけたが、確かに僕がダウンしてしまってはこれまで培った支援も継続できなくなるかもしれない。
「お前は根が真面目なのに加え、被災したのに金沢に戻った後ろめたさもあって一生懸命支援を続けたんだと思う。
ただ支援を今後も継続していくためには、全部自分でやっていては駄目だ。続かない。
徐々に任せるところは任せても続いていくようなことを考えないとな」
リーダータイプと言うより、リーダーの後ろに点いてサポートしていくタイプの僕が、今回の支援ではずっと先頭で走っていた。
それがそろそろ限界だと、所長は一段上の視点から感じていたのかもしれない。
幾つか仕事の引き継ぎした後、午後からは休みにさせて貰った。
清恵さんとレイちゃんに経緯を伝え、柳さんにも今週末は所長が行く旨などをメールで送って横になった。
熱は上がり続け、その夜久々に39度近い高熱が出てダウンした。