第39話 1月14日。悪路。
文字数 941文字
ライトバンに金沢からのメンバーの柳さん、福森さん、美久ちゃん、スイートTAKUさん、清恵さんが乗り込んだ。
TAKUさんはまだ半分寝ている。
「じゃ、気を付けてな」
「隆太さん達もお気をつけて」
今日は隆太さんの友人の業者が重機を持って、崩れた車庫の屋根を撤去して貰うことになっていた。
もし車が使えるようになれば、珠洲に残る隆太さん達の行動範囲も一気に広がる。
また万が一、大きな地震で津波が発生した場合は、車で逃げることも可能となる。
もともと冬は車がないと生活しづらいエリアだったので、生活の再建には車が必要だ。
ライトバンを出発させた。
「お世話になりました」
柳さんや美久ちゃんたちがお義父さん、お義母さん、隆太さんにお礼を言った。
三月家の人たちも手を降って見送ってくれた。
珠洲道路を横切るような感じで、海沿いの町から山側の道を進む。
主要道路ではない1車線の細い山道は、至る所で道路が崩れている。
まだ復旧の手はほとんど及んでいない。
所々に応急処置の鉄板などが設置されて、それらを頼りに慎重に迂回しながら山道を進んだ。
山の中腹に差し掛かった頃「この先通れません」と道にバリケードがあり、その前の空いたスペースにライトバンを停めた。
今日14日は日中の最高気温が8度近くまで急上昇する予定だが、その分明け方から放射冷却現象が発生し、朝8時前の気温で氷点下-3度の冷え込みである。
道にはまだ昨日の雪が残っていた。
みんなは車の中で長靴に履き替えて。事前に支援物資を詰め込んだリュックを担いだ。
美久ちゃんと清恵さんとTAKUさんの両手にはさらに大きなバッグを持っている。
僕と柳さんと福森さんは昨日避難所で汲んだ水道水の入ったポリタンクを両脇に持った。
当然ながら非常に重たい。
寒さに悴む手が痛む。
雪の山道で足元も非常に悪い。
時折休憩を挟みながら、みんなで声を掛け合って山道を登った。
途中には道路の崩壊に加え、大きな倒木も重なっており、確かに車は通れる道ではなくなっていた。
山が深くなるに連れ、避難所では通じていたスマホの電波も次第に圏外となり、分かれ道ではどちらに進んでよいのかわからない。
みんなで協議し、時には偵察帯を先行させて山道を進んだ。
20分ほど歩いた頃、ようやく小さな集落の姿が視界に見えてきた。
TAKUさんはまだ半分寝ている。
「じゃ、気を付けてな」
「隆太さん達もお気をつけて」
今日は隆太さんの友人の業者が重機を持って、崩れた車庫の屋根を撤去して貰うことになっていた。
もし車が使えるようになれば、珠洲に残る隆太さん達の行動範囲も一気に広がる。
また万が一、大きな地震で津波が発生した場合は、車で逃げることも可能となる。
もともと冬は車がないと生活しづらいエリアだったので、生活の再建には車が必要だ。
ライトバンを出発させた。
「お世話になりました」
柳さんや美久ちゃんたちがお義父さん、お義母さん、隆太さんにお礼を言った。
三月家の人たちも手を降って見送ってくれた。
珠洲道路を横切るような感じで、海沿いの町から山側の道を進む。
主要道路ではない1車線の細い山道は、至る所で道路が崩れている。
まだ復旧の手はほとんど及んでいない。
所々に応急処置の鉄板などが設置されて、それらを頼りに慎重に迂回しながら山道を進んだ。
山の中腹に差し掛かった頃「この先通れません」と道にバリケードがあり、その前の空いたスペースにライトバンを停めた。
今日14日は日中の最高気温が8度近くまで急上昇する予定だが、その分明け方から放射冷却現象が発生し、朝8時前の気温で氷点下-3度の冷え込みである。
道にはまだ昨日の雪が残っていた。
みんなは車の中で長靴に履き替えて。事前に支援物資を詰め込んだリュックを担いだ。
美久ちゃんと清恵さんとTAKUさんの両手にはさらに大きなバッグを持っている。
僕と柳さんと福森さんは昨日避難所で汲んだ水道水の入ったポリタンクを両脇に持った。
当然ながら非常に重たい。
寒さに悴む手が痛む。
雪の山道で足元も非常に悪い。
時折休憩を挟みながら、みんなで声を掛け合って山道を登った。
途中には道路の崩壊に加え、大きな倒木も重なっており、確かに車は通れる道ではなくなっていた。
山が深くなるに連れ、避難所では通じていたスマホの電波も次第に圏外となり、分かれ道ではどちらに進んでよいのかわからない。
みんなで協議し、時には偵察帯を先行させて山道を進んだ。
20分ほど歩いた頃、ようやく小さな集落の姿が視界に見えてきた。