第26話 1月5日。準備。

文字数 594文字

所長の頑張りのおかげで大量のブルーシートを確保でき、取引業者の方がわざわざ僕の家まで届けに着てくれた。
それだけでもありがたいのに、業者の方から見舞金まで受け取ってしまった。
一旦は断ったのだが、「俺等には今なんもできんし。これぐらい」と言われ最後はありがたくいただいた。

父の集めてくれた物資も更に追加され、ブルーシートも含め僕の車では入り切らなくなったので所長のライトバンを借りることになった。
一応会社用としても兼用されているライトバンなので、僕も何回か運転したことがある。

夕方レイちゃんの運転で所長の家に行き、ライトバンに僕だけ乗り換えて家に戻る。
所長にも見舞金をいただいた。
「どこかに募金しようと思っとったし、支援物資や顔の見えるレイちゃんの実家家族で使ってくれ」
これもありがたくいただき、見舞金は清恵さんに渡した。
所長の奥さんも事前に集めてくれた支援物資が沢山車に積まれていた。

家でライトバンにブルーシートや父が集めた支援物資を詰め込んだ。
食料。水。灯油。簡易トイレ。子供や高齢者用のオムツ。離乳食。大量のウェットティッシュ。ブルーシートと縛るための紐や用具。などなど。
みるみる広いライトバンの後部が支援物資で埋まった。
既にガソリンは所長が満タンにしてくれていた。

幸い1月4日5日と能登で大きな余震も起こっていない。
明日6日からは3連休。
僕たち家族は珠洲に向かう準備で終日明け暮れた。
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