第20話 「死者の罠」

文字数 7,708文字

「おいおい……なんだよこれ」

 オーハンスは、目の前に聳え立つ大きく口を開いた、巨大な石造りの遺跡を見上げた。
 村から少し離れたその場所には、もう光る灰は降り注いでいない。

「ここはかつて、この世界を支配した者たちが建てた遺跡です」

 チェットが上を見上げてそう語った。
 そして、大きな入り口から中に入っていく。

「お、おいっ!」

 マイクに繋がれたら手綱を引いて、オーハンスと、その後ろに興味深そうに辺りを見回すアメリオが続く。
 森の中、ただでさえ薄暗かったのが、遺跡の中に入ると一段と増した。
 森とは違う空気に、オーハンスは軽く身を震わせる。

「その昔、人々はここで集まって会議をする傍ら――様々な研究をしていました。だから、ここは本や実験道具、書斎ばかりの、宮殿造りの遺跡です」
「その人々っていうのは、あそこの村人たちの祖先ってことか?」
「文化は全く異なりますが、そうですよ」

 しかし、とオーハンスは考える。
 あの村人たちにこんな巨大建造物が建てられるだけの技術が伝えられていたとしたら。
 何故あんな、自然を利用した田舎みたいな家に住む必要がある?

 何か事件があって、文明を失ったとか……?
 ――そんな、文明を失うほどの災害がここでは起こったのか?

「ああ、言い忘れていました」

 オーハンスの思考に、チェットが横槍を入れる。

「先程、本や書斎ばかりと言いましたが、厳密には違います」
「違う、ってなんだよ」
「実は、そのかつての研究を調べるために、昔私たちの組織は隊を送り、この場所を利用して研究をしていたのですが……ある日を境に、連絡がぱったりと途絶えてしまいまして」

 チェットが振り向いて、二人を見つめる。
 その目を見て、オーハンスはゴクリと唾を飲み込んだ。

「彼らは、遂に帰ってきませんでした。
 その結果から、ここがただの遺跡でなく、何か別のものがある、そう組織は確信しました。
 そこで、彼らはその不可解な事件を調べるため、今までなんども派遣隊を送ったのですが、どれも帰らず……。
 何番目かはわかりませんが、私たちはその中の一組です」
「ちょっと待て、そもそもこの場所からは出られないんじゃないのか? 何かでる方法があるとか――」

 そう、この大地は常に霧に覆われており、そこから外へ出る手段はないとナトは言っていた。
 
「ああ、あなたは違うのですね。合っていますよ。この場所からは出られません。受け入れるべきです――」
「ねえ、オルフちょっと、あの霧から外に出ることはできないの?」

 チェットがそこまで言ったところで、アメリオが割り込んできた。
 その言葉に、思わず「は?」と返してしまうオーハンス。

「お前知らないできたのか!?」
「まあ別にいいわ、帰る気はないもの!」
「お前の危機管理はどうなってんだよ……」

 そんな彼らを見て、チェットはふふと顔を綻ばせた。

「よくやっているみたいですね」
「私達は仲良しよ!」
「……ええ、もちろんあなた方も」

 その含みがある言い方にオーハンスが違和感を感じていると、「おっと」と、チェットは顔を引き締めた。

「話し過ぎてしまいましたね。さあ、行きましょう。もしかしたら、あなた達の大切な人にも危機が迫っているかもしれません」

 チェットには、既にナトの事は話してあった。
 オーハンスは警戒して口をつぐんでいた横で、アメリオが明け透けに話したのである。

「『も』ということは、お前の知り合いも中にいるのか?」
「ええ。私の大切な人です。とても大切な――」

 そう言うと、チェットは暗い中を歩き出した。
 オーハンスはそれに続くが、「ねえ」と、後ろから声をかけられた。

「なんだよ、マリー」
「あの人、やっぱり面白いわ!」

 白い目でアメリオを見るオーハンス。
 赤い髪の少女は、首を傾げて見つめ返す。

「お前の頭の中も相当面白いと思うぞ」
「ほんと? 嬉しいわ!」
「ほら」

 軽く息を吐くと、「それで」と、オーハンスは続ける。

「どこが面白いんだ?」
「どこが? そうね……」

 アメリオをは黙って何かを考えているような仕草をして、すぐに何かに気がついたように顔を上げる。

「雰囲気がどこか違うわ!」

 その答えを聞いて、オーハンスは固まった。
 こいつも、気がついている……?

「お前、いつから……」

 その時だった。
 遺跡内の薄暗い常闇を切り裂くように、激しい人外の叫びが響き渡った。
 そしてその直後、低い呻き声が深く空気を震わせる。

「お、おい、これ……」

 わかる。
 アメリオと出会ったあの洞窟の中と、同じ雰囲気。
 人じゃない、何かが奥にいる!

「私たちは消えた隊の調査に来ましたが……その他にも目的がありまして」

 チェットは、その叫びを確認したようにそちらへ目線を向けると、再び奥へと進み始める。

「どうやら先程、それを遂行していた私たちの仲間が死んでしまったようなのです。……その報せが届きました」

 チェットが懐から小さなカンテラを取り出すと、火をつけた。
 辺りにオレンジ色の光が広がる中、チェットは懐から取り出した宝石を取り出すと、それを悲しげに眺めた。
 よくみればそれは、ひび割れていた。

「これは離れた人の生死を確認する道具です。この道具が間違いを起こした事はありません、そして、同じものがいくつも私に死を報せるのです」

「大変じゃない!」
「そうですね。……それに、今まで死んだ者はともかく、『彼』に死なれては困ります」
「そんなに大切なのね」

 「ええ、とても」と笑みを返すチェットに、オーハンスは内心でどうだか、と呟いた。

「幸い、『彼』はまだ生きています。ですが、少しだけ我が身を顧みない所がありまして……」
「ああ……」

 その言葉に、友人の姿が脳裏を掠める。
 あいつは、絶対に無茶をする。
 もし、このまま放って置いたら……。

「……ナトっ!」
「わっ」

 引っ張られたアメリオが驚いた声を上げた。

「おい急ぐぞ、乗れ!」

 慣れた様子で二人ともにマイクに跨る。
 急な慌てぶりに、チェットは少し困惑した様子を見せる。

「私たちは先に行くわ!」
「お前の方も達者でやれよ! マイク、走れっ!」

 一鳴きして、マイクはその蹄で石タイルの床を蹴った。
 暗い通路をに入り、そのまま進む。

 どうにか。
 間に合ってくれと、願いながら。





 金色に輝く鱗を持つ大トカゲが、黒い殻の爛れた怪物に襲いかかる。
 黒い怪物は、空気を切り裂きながら迫る鋭い爪に対して、爛れた体を殻に引き込ませ、殻に生えた黒く鋭い棘を向ける。

 棘と爪が交差する。だが、先に折れたのは、トカゲの怪物の爪だった。
 簡単に砕け散った爪を仕舞い、今度は牙で襲いかかる金の大トカゲ。
 黒い怪物は、素早い動作で貝殻ごと上体を持ち上げると、そのトカゲに黒い節足で抱きついた。

 牙が胴体に刺さるも、特にダメージを受けた様子はなく、突き立った牙は、次第に黒く爛れた体に沈み込んで行く。
 黒い怪物はそのまま、体の中に金色のトカゲを取り込んでいく。

「ハルトマンさん、やるなら今のうちでしょう」
「ああっ!」

 ブーツと具足が、ほぼ同時に床を蹴った。
 まず先に出たのは、黒い鎧だった。

 鎧を着ているとは考えられないほどの跳躍力で飛び上がる。
 そして、鉤爪のように指を開いて腕を引き、そのまま怪物の元に飛び込んでいった。

 丁度、トカゲの体を半分ほど飲み込んだところであった怪物に躍り掛かるグリーゼは、勢いに任せて鉤爪の形に開いた指を、爛れた黒い体に突き刺した。
 ずぶりと前腕を半分ほど飲み込まれたのを見て、そしてそのまま、引き裂くように横に振るう。

 辺りに飛び散る黒い腐肉。
 その身体能力に驚きつつ、ハルトマンは走りながら、腰だめに剣を構えた。

「――っはぁ!」

 手首の返しを利用した切り上げ。怪物さらけ出された胴体を狙う。
 鋭い切っ先は、狙い通り怪物の節足が生える胴体を切り裂いた。
 しかし、泥の塊を切っているかのように、致命傷を与えられた様子はない。

 その時、水溜りを踏み付けるような音が、何度も聞こえてきた。
 見上げれば、グリーゼが張り付いて何度も怪物の腹にその手を突き刺しては肉の塊をもぎ取って捨てていた。

 だが。
 それでも爛れた怪物は、平然と大トカゲの怪物を飲み込み続けている。

「……っ! 駄目です、ハルトマンさん! 一旦体制を整えましょう!」

 グリーゼは怪物から跳び退いて、距離を取った。
 ハルトマンも、剣にこびり付いた黒い塊を払うと、怪物から離れた。

 やがて怪物は金色のその体を全て飲み込み、体の中に収めてしまった。
 持ち上げていた一回り大きくなった体をズシリと地面に倒す。
 ――そして、突如震えだした。

「っ!」
「なにが起きている?」

 怪物が、泣き喚いているように見えた。
 ゴロリと、殻のついた体が横に転がる。
 爛れ体が剥き出しになり――そこから、巨大な何かがせり出される。

 それは、薄く虹色に輝く、透明な水晶だった。

「あれ、どこかで……」

 ハルトマンは記憶を探る。
 ……そういえば、トカゲのような怪物が、首や背中から生やしていた。

「もしかして、水晶が苦手なのか……?」

 ごとり、と虹色の水晶が吐き出される。
 すると――怪物の体に、明らかな変化が起きた。
 爛れたその体が若干白濁し、まるで身動きが取れないのか、強張っているように見える。

「今です、ハルトマンさん!!」

 その言葉を言い切る前に、ハルトマンは駆け出した。
 間合いを詰めて、大上段からの袈裟斬り。

 新鮮な肉を切った時のような、しっかりとした手応え。
 足で地面を噛み、体をしならせて剣を流す。
 手首を返して、もう一撃。

 金色に閃く剣が舞う。
 二つの切り傷が、怪物の胴体に付けられた。
 呻き声が、金切り声に変わる。

 次の瞬間、ハルトマンの体は吹き飛び、そして床を転がった。
 霞んだ視界に見えたのは、すっかり爛れた体に戻った怪物が、腹の切り傷からドロドロと黒い液体を撒き散らし、喚いている場面だった。

「大丈夫ですか、ハルトマンさん!?」

 駆け寄ってきたグリーゼに介抱される。
 ハルトマンさんは「ああ」と、掠れた声で返事をする。

「ゲホッ。……欲張りすぎた。隙はあったが、あまり長くはない。できる限り、重い一撃を入れなければ」
「その、怪我の方は」
「問題ない。打撲だけだ。骨も逝ってない」

 ブーツが床を踏みしめて、ふらふらとハルトマンが立ち上がる。
 黒い鎧は安心したよう胸を撫で下ろした。

「……そういえば、貴方はそこそこ力持ちではないか?」

 何かを思い出すように、ハルトマンは長身の黒鎧に問いかけた。

「心外です。……いえ、まあ、そうかもしれませんが。ところで、どうしていきなりそんなことを?」
「だったら、頼みたい事がある」

 ハルトマンは、じっと怪物を見つめ、続ける。

「僕が合図をしたら、あの水晶を怪物に向かって投げてほしい」

 ハルトマンは、地面に生えた水晶を指してそう言った。

「……わかりました。やってみましょう。ただ、その、力持ちじゃなのです……本当は」

 後半のブツブツとした呟きに、ハルトマンは首を傾げる。

「さあ、行くぞ」

 ハルトマンは駆け出した。
 ……と、同時に、剣の切っ先で地面を引っ掻いた。
 甲高い金属音が響く。

 ハルトマンは気がついていた。
 この怪物は、何かを追う時、きっと音で判断をしている。
 水晶が砕ける音、ブーツが床を踏みしめる音、その全てに反応し、ひっきりなしに意識を向けているのに気がついていた。

 ハルトマンたちを追ってきた時も、仲間たちを殺した時も。
 さっき、あの金色の大トカゲが現れた時も。
 暗闇の中で悲鳴を捉え、大トカゲの咆哮に反応していた。
 この怪物は、大きな音の出る方を優先して狙っているに違いない。
 なら。

「こっちだ!!」

 石タイルの地面に傷を残し、ハルトマンは怪物の周りを駆け回る。
 ゆっくりと、怪物の体がハルトマンの方へ向く。

 よし、想像通りだ。
 後は……。

 グリーゼの方を伺う。
 丁度、巨大な水晶の柱を叩き折って、それを担いでいるところだった。
 想像以上の怪力に内心驚きつつ、ハルトマンはタイミングを見計らい――。

 怪物の視線が、自分とグリーゼに重なる、その瞬間。

「今だ!」

 巨大な水晶が、空を飛んだ。
 鈍い音を立てて、それは怪物の腹に食い込んだ。
 徐々にそれは、腹の中に飲み込まれ――。

 怪物が金切り声を上げて、その水晶を吐き出した。
 ハルトマンはその瞬間、怪物に接近、硬直しつつある体に、逆手に持ち替えた柄を強く握り、大蛇の一噛みが如く、深く剣を差し込んだ。
 柄まで差し込み、そしてそのまま切り上げる。
 そこに、大きな傷が口を開いた。

 そのまま、ハルトマンは飛び退いて剣を盾にするように構えた。
 上手くいった。致命傷であることには間違いないだろう。
 後は、次の反撃を上手く往なせば良いだけ――。

 だが。
 剣をいくら構えようとも。
 いつまで経っても、それは来なかった。
 不審に思い、そっと様子を伺うために剣の影から目の前の様子を伺おうと――。

 直後、破壊音が響いた。
 気がつけば怪物は、自分以外の何かを攻撃していた。
 ハルトマンは目を丸くした。

 大きく破壊される部屋の壁。
 黒く爛れた巨大な質量に、飛び散る血潮。

 グリーゼが、怪物に押しつぶされて、血塗れになっていた。






 貴族の少年は、いつものように――と言っても、多少の苦労はしたが、屋敷を抜け出していた。
 これでまた、彼と遊べる。
 あの日々が、また戻る!

 いつもの場所に、彼はいた。
 貴族の少年は、声も出ないほど嬉しくなった。
 きっと、あの日から、ずっと、ずっと待っていてくれたんだ。

 何から話そうか。
 少し背が高くなった?
 体つきもよくなったね。
 僕の方も、色々あって――。

 話題は尽きない。
 頭の奥の引き出しから、押し返されるようにどんどん溢れてくる。

 いや。
 最初の言葉は決めていたんだ。

 ただい――。

「待ってたよ」

 彼の言葉で、言いたいことを全て忘れた。
 頭の中が全て真っ白になった。
 次の瞬間。言葉にならない何かが溢れてきた。

「待って。待って待って待って待って。ずっと――――この時を待ってた」

 ああ、僕も。
 僕も、こうして会える日を夢見て――。

「だから、最初の挨拶は――こうだっ!」

 頰に、何かが強くぶつかった。
 頭を強い衝撃が襲い、ふらついて倒れた。
 何……? 血の、味?

「逃げられると――思うなっ!」

 ガツンと、何かが右手の甲を潰した。
 こぶし大の石ころだ。
 誰が。
 誰がこんなことを――。

 見上げると、そこには愛しい友人の姿があった。
 なあ、誰だよ、今僕を蹴ってるのは。
 見てないで、教えてくれよ。

「お前がっ! お前が俺の家族をっ! あんなに良くしてくれた人たちをっ!」

 何度も、何度も繰り返される痛み。

「言ったよな? 友達だって! 俺たちみんな友達だって! それが……なんだよ、何なんだよ!!」

 何かが潰れる音がした。
 顔も最早痛みを感じない。腫れ上がった瞼のせいで、目の前が見えない。

 腕には力が入らなかった。
 足も、動かそうとすると、死にたくなるような激痛が走る。

「ぉ……ぅあ……にぉ」

 言葉すらまともに喋れない。
 早く、早く彼に弁明しないと……!

「貴族なんて、大っ嫌いだ」

 ……え?

「死ね」

 なんで。
 なんでそんなことを言うんだよ。
 しばらく会わないうちに、冗談が下手になったか?
 言葉の意味も、履き違えてるんじゃないか?

 知ってるんだ。
 僕は、貴族だから。自慢はしたくないけど、高い教養があるから。
 でも、今の君のことは今までで一番わからない。
 考えても、わからない。

 なんで。
 なんで、なんでなんでなんでなんでなんで!!

 ――それから、意識はなくなった。
 気がつけば、屋敷の部屋で寝かされていた。

 あれから、何故か緩んだ監視の目を盗んで外に出た事があった。
 いつも遊んでいた場所に向かっても、お世話になった平民の家を訪ねても。
 下町のどこへ行っても、何故か知っている顔は誰一人として居なくなっていた。

 そして、彼も。





 怪物に潰され、潰れたトマトのように破裂したグリーゼ。
 一瞬。
 為す術もなく、一瞬。

 頭がクラクラする。
 言葉が出ない。
 これが絶望か。

 何の罪もない気のいい協力者を殺してしまった。
 足腰の力が抜け、地面に崩れ落ちる。
 自分が自分じゃないみたいに、体が言うことを聞かない。

 無音の中、視界がゆっくりと流れていく。
 怪物が、こちらを向いた。
 殺意が全身に突き刺さる。

 終わった。何もかも。
 何も、かも。

「……ぁ」

 迫り来る黒い影。
 冷めたように何も感じない体。
 ただ一点、右手の甲の傷跡が、燃えるように痛む。

 あの日から、この日の為に、ずっと鍛錬してきた。
 あの思いを忘れないように、全てを捨てて、諦めて。

 結局、全部無意味だった。
 じゃあ、何の為に。

「ぃ、ぁ……」

 声が出ない。
 喉が震える。
 そして頰を、何かが伝った。

 ――何も感じていないはずなのに。

「ま、だ……」

 近寄る死神に、懇願するように。

「まだ……生きたい……」

 口が、勝手に動く。

「僕には、まだ…………まだ、何もない……っ!!」

 呻き声が、もう目の前まで。

「こんなの……こんなの、嫌だ!!」

 その時だった。

 風切り音が降ってきた。
 微かに混じる、管楽器の様な美しい金属の音色。
 怪物が跳ね上がる様に反応して、殻に篭って音の方向に棘の山を突き出した。

 衝突。
 響き渡る、鉄の棒を打った様な、美しい旋律。

 身を翻して、その人物はハルトマンの前に着地した。

「……どう、して」

 背の高い、明るい茶髪のその少年は、硬い粘土の剣『響』を構えて、立ちはだかる。
 そして、ハルトマンに微笑みかけた。

「もう誰も、死なせはしません」

 怪物の前で佇むナトは。
 はっきりと、そう言った。
 
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