第3話 「庭園の魔物」

文字数 7,546文字

「かっこいい馬ね。まつ毛が可愛いわ」

 どっちだよ、とオーハンスは心の中で呟いた。
 毛並みの良い軍馬を撫で回す少女に、

「……ここの住人の方ですか?」

 と問いかけたのはナトだった。

「違うわ。私はアメリオ・クレンツ。あなた達こそ、ここらへんに住んでる人?」
「俺達はここから一番近い国からやってきて、今日の昼頃にこの『庭園』に突入したんだ」
「……そうなの?」

 オーハンスの言葉に、アメリオは少しその様相を崩した。

「私もそこからやってきたのよ。同郷の人に会えてよかったわ!」

 嬉しそうに近づいてくるアメリオ。
 そんな紅の髪の少女に、ナトは一人冷静に様子を伺っていた。

「……あの、今僕達は怪物に襲われてここに逃げ込んだんです。
 あなたは、その怪物の事をご存知ですか?」

 ナトの言葉に、アメリオは頷いた。

「私も追われてこの洞窟に逃げ込んだの。そしたら、洞窟の外に居座られて出られなくなっちゃったわ」

 洞窟の入り口を指差してアメリオはそう言う。

「……その割には、そんなに悲観的じゃねーな」

 当然、と言うように、胸を張る少女。
 鼻から息を吐き、

「助かるもの!」

 と言った。
 その答えに、「どんな根拠だよ」とボソリと呟く。

「とにかく、ここは危ない。なるべく奥へ――」
「あっ、そっちは」

 ナトが洞窟の奥へと足を向けると、アメリオは手を引いて彼の足を止めた。
 怪訝そうな顔で、その少女を見つめるナト。

「何ですか?」
「……あんまり奥へ行きすぎないほうがいいわ。様子見程度で引き返して」

 何かを訴えるような少女の表情に、ナトは首をかしげる。

 馬を待機させたオーハンスと、怯えるヨルカを連れて奥へと進む。
 アメリオがこちらを心配そうにこちらを見つめているのが、ナトの心にしこりを残した。





 光の届かないその中には、薄い色の植物がヒョロヒョロと所々に伸びていた。
 ねっとりとした粘液を残す虫や、空中を飛ぶ丸い生き物が生息しており、森の中とは雰囲気が異なる。

 洞窟を進むと、比例して湿気は増していく。
 しかし、それだけではない。
 三人は、明らかな異臭を感じていた。

「何でしょう、この匂い……」
「街でよく嗅ぐ、死にかけの犬みたいな匂いだな」

 三人は進む。
 進む度に、比例して匂いが強くなっていく。

 だいぶ空洞内を進み、月明かりはもう届かない。
 瓶で淡く光る虫の明かりを頼りに、その中を進んでいく。

 そして。
 淡い光は、初めて目の前に障害物を浮かび上がらせた。

「待って!」

 突然、ナトが手で後ろの二人を制し、立ち止まる。
 ヨルカとオーハンスを半歩引かせ、ナトは瓶を突き出し、眼の前のそれをはっきりと照らし出す。

 巨大な体躯。
 ヌラヌラと光る表皮。
 ギョロリとした目に、大きく膨れた腹。

 じっとして、薄い口がわずかに開閉するばかりで、自主的な行動は取っていない。
 筋肉質な足も、膨れ上がった腹部の重圧に耐えられないのか、潰れている。

 ヨルカが今にも泣き出しそうな顔で震えている中、
 オーハンスは目の前の怪物に既視感を覚えていた。

「……あれ? こいつ、表にいた奴と似てないか?」
「そうだね。どうやら、この生き物も栓穴紐(フクロナガラ)の仲間みたいだ」
「……ん? なんだよそれ」

 ナトの言葉に、オーハンスが眉を(ひそ)めた、次の瞬間。
 洞窟で三人を阻んでいる巨躯が、ピクリと動く。
 虚空を見つめていた眼球が、音を立ててこちらを捉えた。

「っ!!」

 三人がそれぞれ後ずさりをした、その時、
 眼の前の怪物は、その長い首を伸ばし、彼らが居た場所に突き出した。
 そして、何度か口を開閉させて独特の音を出すと、そのままもとの体勢へと戻り、動かなくなる。

「……戻ろう。ここは通れないみたいだ」

 冷や汗をかくナトの言葉に、少年は緊張した面持ちで、少女は更に青くなりながら頷いた。
 月明かりを目指して洞窟を進む三人を、辺りに散らばる骸の山が物悲しげに見送った。






「どう?」

 アメリオがナトに問いかける。

「これじゃあ出ることも奥へ逃げる事もできませんね」
「ええ。だから困ってたのよ。どうする?」

 彼女の言葉に、ナトは苦々しい顔をする。

「……幸い奥にいるのは動かないようですし、とりあえずは様子を見るしかなさそうです」
「そういう訳で私も出られないってわけよ。
 どれ位ここに居る事になるかわからないけど、お互い仲良くしましょ」
「あの骸骨の同居人にならなきゃいいけどな」

 そんなやり取りの中、ナトは荷物の中から何かを一つ取り出した。
 それを「アメリオさん」と言って、軽く放り投げる。

「ん。これは何かしら」
「食べ物です。朝からずっとここに居るんですよね?」

 そう言うと、アメリオの表情は瓶よりも光っているように錯覚するほど輝き、

「ありがとう! 丁度お腹が減っていたのよ!」

 といって、それを食(は)んだ。
 「お、おいそれは……」とオーハンスが呟くが、それはアメリオには届かなかった。

「……うん、美味しいわねこれ! なんていうの?」
「『ヒトクチ』です。気に入ってもらえて何よりです」
「一口でこの衝撃、まさにヒトクチね!」

 絶句する二人を他所に、その赤髪の少女は食料を腹に収めていく。

「なあ、ナト。……こんな状況で聞くのもなんだけどさ」

 オーハンスがナトに向き直る。
 その懐疑的な表情の友人に、ナトは不思議そうな顔をする。

「さっきの怪物といい、その瓶の中の虫といい、どこでそんな情報仕入れたんだよ。
 あんなの、生まれてこの方聞いたこともないぞ。
 前にここに来た時にでも調べたのか?」
「あ……そ、それ、私も気になってました」

 その二人の視線に、ナトの思考は一瞬停止する。

「……あれ、そう言えば俺、なんで知っているんだろう」
「ん? すまん、どういう意味で言ってる?」

 眉をひそめるオーハンスを他所(よそ)に、ナトは額に手を当てる。
 その困惑を追求し続けるも、答えは出ず、彼の心に靄を生む。

「わからない。……でも、わかるんだ」
「お、おい、ナト。大丈夫か?」

 「ああ」とだけ答え、ナトは俯いて何かを考え出す。
 オーハンスはその様子を気にかけながらも、声を掛けることはない。

「そういえば」

 顔色が回復したヨルカが立ち上がる。

「酒場のおじさんが言ってたじゃないですか。『ベールガーデン』では超常的なことが起こるって。きっと、それですよ!」

 オーハンスは顔を(しか)めてヨルカを見るが、その目を見て何かを察する。
 ――きっと、深く掘り下げるべきじゃない。

「そうかもしれないな。それに、ナトはもう二回も出入りしてるんだ。こんな事があってもおかしくは無い」

 そんな二人の言葉を聞きつつ、何か考えを巡らせているナト。
 彼らを見ながら、アメリオは残りの『ヒトクチ』を飲み下すと、
 その紅く輝く髪を舞わせ、突然、洞窟の奥へと顔を向ける。
 同時に、オーハンスや脂汗を流すナトも、同じ方向へ意識を向けた。

「……ねえ、今なにか音がしなかった?」
「した。しかも距離的に……」

 夜の路地裏を覗くように、洞窟の奥へと向けられた、オーハンスの目が細められる。

「さっきの……」

 その時。
 洞窟の中を、鋭い音が響く。
 鼓膜を微細に震わすそれに、ナトは反射的に耳と――胸を押さえた。

 明確な敵意と、殺意を持った叫び声。
 わかる。わかってしまう。
 ここの生き物が放つ、そういった独特の思念のようなものが。

 悪魔の霧の中で、彼女の銀色の髪が鮮血に染まった、あの時と――。

「お、おい、ナト!!」

 ナトは黙って立ち上がり、洞窟の奥へと再び足を向けた。
 引き結ばれたその口を見て、三人は彼が止まる気が無いことを悟る。

 何度も、何度も、叫声が洞窟を抜けていく。
 そんな中、人の残骸の山へとナトの瞳は動いた。
 おもむろに、その中に手を入れる。

「なっ、なにを……」

 ヨルカが若干身体を引かせていると、ナトは勢いよくその手を引き抜いた。
 飛び散る残骸。
 そして彼の手に握られていたのは、錆びついた一本の剣だった。

 腕と同程度の長さのその剣を握りしめ、洞窟が覗かせる闇へとナトは進んでいく。
 少年の突然の行動に戸惑いながらも、二人の少女と慌てて瓶を拾ったオーハンスもそれに付いていった。






「洞窟の奥の怪物、本当に何も無いんでしょうか……」
「大丈夫よ。見たと思うけど、足も潰れてたのよ?
 そう簡単に動ける訳ないじゃない」

 ヨルカを諭すアメリオ。
 そんな彼女たちを尻目に、オーハンスはナトに追いすがり、その肩を掴む。

「な、なあ。どうしたんだ。
 そんな唐突に、お前らしく――」

 オーハンスは前に回り、その表情を伺い――言葉が、出てこなかった。

 それは、街中で二人昼食を取っていた時と変わらない、
 いつも何かを考えているような、それでいて優しそうで妙な安心感がある、

「……どうしたの、オルフ」

 いつも通りの、表情だった。
 オーハンスはナトの目を見て、石でも積み上げるように言葉を重ねた。

「な、なあ……ナト。行って、どうするんだよ」
「え? ああ……」

 ナトは、剣を軽く持ち上げた。
 そして、まるでそれがなんでもないように、

「やろう」

 そう言った。

「は、は? やるって、ナト、お前……」
「何か嫌な予感がする。だから、動けないなら、やっておこうと思うんだ。勿論、慎重に」

 その言葉を聞いて、胸を撫で下ろす。
 杞憂であった、とオーハンスはその少女のような表情を少しだけ緩める。

「アメリオさん、どう思います?」

 ナトが振り返り、比較的冷静であったその少女に問いかける。
 赤髪の少女は多少逡巡し、すぐ首を縦に振った。

「ただお腹が空くのを待っているのよりは、良いと思うわ」

 その言葉を聞いて、再び歩を進める。
 その後ろを付いていくアメリオとオーハンスに、怯えながらもヨルカ付いてくる。

 そして。
 その光景が、再び照らし出され、

「うっ……」
「おい、これって……」

 えずくヨルカの背中をさすりながら、アメリオはそれを見る。
 先程よりも膨れた大きな腹は充血し、虚空を見つめていた目は忙(せわ)しなく動いている。
 口から泡を吹き、血とともに湿った地面に垂れ流している。

 またしても、狂ったような獣の声が発せられる。
 しかし、それはその怪物の口からではない。

「腹から……?」

 ナトがその様子を伺っていると、
 突然、その膨れた腹が内側から破ける。
 破裂したように、熱い透明な液体と濁った血液が飛び散る。

 その瞬間から、その怪物は息の根が止まり、動かなくなった。
 しかし、同時に。
 肥溜めのような臭気を放つ液体と共に、死体の腹の中からそれは出てきた。

 体躯は人の大人と同じ程度。
 死んだそれと比べて、小さいながらも、筋肉質な足。
 暗闇の中で照らされよく目立つ真っ白な体皮。
 魚のような顔と尾びれ。

 臭気の湯気の中、それは、産声を上げた。
 劈(つんざ)く奇声。明らかに、怪物の幼体。
 岩壁が震え、小さな生物たちが出口へと逃げていく。

 そんな中で、ナトは走り出した。
 剣を両手で持ち、一点を見つめて。

「ふっ!!」

 それを、振り下ろす。
 錆び付く剣先が白い表皮を削り、どす黒い血が白い表皮ひ化粧をするように滲(にじ)み出る。
 しかし、その怪物は怯むことはなく、地面を叩いた剣に噛みついて引っ張る。

「重っ……」

 互いに引っ張り合いとなった姿勢で、ナトは相手を睨む。
 しかし、その怪物の無機質な眼球もまた、ナトを射抜いていた。

 ……この目。
 違う生き物と言えど、彼女を殺した、あの目と同じ――。
 ナトの手から力が抜ける。
 剣が手から離れかけた、その時。

 空間が不自然に歪んだ。
 そして、目の前の怪物が吹き飛んでいく。まるで、超重量物にでもぶつかったかのように。
 さらに遅れて、烈風と振動が洞窟の中を駆けていった。

 音も色もない、圧倒的な衝撃。
 今のは一体――。

「早く! 今しかないわ!」

 振り返れば、そこには右手を突き出したアメリオが居た。
 その髪は巻き起こった風になびいていて、オーハンスとヨルカが放心したようにそれを見つめていた。

「とどめ!!」

 その叫びに、ナトは我に帰る。
 そして、再び駆け出した。

 この剣じゃ切れない。
 なら、息の根を止める最大の攻撃は――。

 吹き飛んで痙攣していたその怪物に、腰だめに錆びた剣先を向ける。
 筋肉質な足を巧みに使い、上体を起こしたその怪物は、
 ――一瞬の後に、再びその首を地に着けた。

 剣が怪物の喉を穿った。
 鮮血が溢れる。
 返り血がナトを濡らしていく。

 怪物は、くぐもった悲鳴を上げる。
 それは、今までとは異なるものだった。
 もがき苦しんでいるような、痛みを訴えているような。

「くぅっ!!」

 飛び散る汗と血飛沫。
 頰に生暖かい液体がかかる。

 すぐに剣を抜いて、もう一度。
 濁った悲鳴と共に、無残な姿へと変わっていく怪物。

 ナトが剣で壊すたびに、その悲鳴は力を無くしていく。
 何度めか。
 ついに、亡骸となったそれは声を上げることは無くなった。

 すでに肉塊でしか無くなったそれを見て、ヨルカはついに吐き出した。
 アメリオは宝石のような髪の筋を額に貼り付け、洞窟の岩壁に寄りかかった。
 オーハンスは、ナトの方へと駆け寄る。

「おいナト、大丈夫かよ!?」

 金属音を立てて剣を取りこぼし、ナトは地面に尻もちをついた。
 オーハンスは、後ろからそれを抱きしめ、目の前の二体の死体を見る。

 もし、失敗していたら。
 今頃自分たちは、この洞窟の骸たちのように、またはこの怪物たちのようになっていたのだろうか。

 少女のような顔をした彼の腹の底から、何かが込み上げてくる。
 反射的に手が触れていた服を、握ってしまう。
 ――しかし。
 返ってきたのは、頭上への温かい感触だった。

「大丈夫だから」

 ナトが自分の頭を撫でている。
 そう自覚したのは、一泊おいてからだった。

「い、いやっ……なんでもない……」

 顔を赤らめて身を引いたオーハンス。
 まるで本物の少女のような反応に、ナトは思わずくすりと笑った。

「オルフ、肩を貸してくれないか。膝が震えて、立てなくて……」

 「あ、ああ」と、自分よりいくらか体格の大きな少年を、腕を首に回して支える。
 その、次の瞬間。

 ――え?

 洞窟に、今度は別の悲鳴が響き渡った。
 それは、飼い主である彼にとっては聞き慣れたもので。
 オーハンスはそれを聞いて、ナトを立たせると血相を変えて飛び出した。

 間違いない。
 この声は。
 この声は――。

 洞窟の出口へ向けて駆けていくオーハンス。
 その足が、止まる。

「う、あ、あああ……」

 膝から崩れ落ちる。
 その目線の先に、血が滴り落ちて鏡面を作り出していた。
 そこには、大きな影が映っている。

「オルフ! 大丈夫……」

 剣を握り直したナトは、オーハンスの目線の先を見る。
 月光により洞窟に作り出された大きな影。
 大きな軍馬が、それよりも大きなそれに噛み殺されていた。
 
「っ!? 立つんだ、早く洞窟の奥に――」

 その呼びかけに答えることはなく、震える眼は何を捉えているのかすら定かではない。

 その時、怪物の意識が洞窟の奥に向いた。
 しばらく奥を見つめ、

 それは、まるで悲鳴だった。

 空気を引き裂くような叫び声。
 閉ざされた世界で生きる獣たちの、悲痛な絶叫。
 その激昂は、恐怖へと誘(いざな)わんと四人の肌を震わす。

 筋肉質な足が、前へと進む。
 影が、迫ってくる。

 ナトは、オーハンスの首元を掴み、力の限り後ろへと引いた。
 その小柄な少年は洞窟の床を転がる。
 直後、怪物の足が地面を叩いた。
 洞窟が揺れるような錯覚を覚えるほど、強力な一撃。
 オーハンスの身体を掠めて、地面との間に破裂音にも似た音を鳴らす。

「離れてっ!」

 ナトが後ろを見やると、アメリオが右手を突き出して、紅く輝く瞳で怪物を捉えていた。
 突然、その右の掌に風のような物が収束していく。
 空気をうねらせて大きな無色の球状に固まり、
 そして、それは破裂するかのように、前方に大きな衝撃波となって射出された。

 鈍い音が響く。
 真正面から強く直撃したそれは、巨大な頭部を上へと跳ね上がらせた。

「後は、頼んだ、から……」

 少女は、膝を付いて、地面に倒れる。
 慌ててヨルカが駆け寄り、彼女を介抱する。

 ナトは、アメリオの言葉を聞いて、再び錆びた剣を握りしめた。
 一歩踏み出し、その足に力を込めて、喉元へ剣先を向け、突き上げた。
 しかしその時、眼球だけがギョロリと動き、それを捉えた。

 僅か。
 その首を、横に反らした怪物。
 錆びた剣先は狙いから逸れて、右の眼球を潰した。

「くっ……」

 手元に嫌な感触が残ったナトは、急いで怪物の右側へと回る。
 そして身体を反転し、改めてその首元へと突き刺す。
 しかし、先程よりも勢いと力が足りず、厚い表皮に浅く突き刺さり、生命を削り取るには至らない。

 ――まずいっ!

 怪物は体重を乗せて、体ごとナトを洞窟の壁へと叩きつけた。

「ぐぅっ……」

 内臓にダメージが響く。
 込み上げた嘔吐感を必死で押さえ、
 ナトは突き刺さったままの剣の柄を、拳で何度も叩いた。
 鮮血の飛沫が、少年の明るい茶髪を染める。

 これじゃ駄目だ。
 もっと、
 もっと深く!!

 叩く度に飛び散る鮮血。
 より深く刺さっていく刃。

 怪物は悲鳴をあげ、ナトを、同じく何度も、何度も叩きつける。
 消耗し、消耗され、そして先に動かなくなったのは――。

 地面に倒れ伏した、怪物だった。
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