第71話 いったん合流。
文字数 1,958文字
ポチ君とストレちゃんに合流するため、ナビのつくった雲に乗り移動していたら不思議な光景が目に留まる。
泣きじゃくりながら体中に葉っぱを付けて走る知人と、それを追う犬と子供。
私達が声をかけると、ストレはその場で崩れ落ちよりいっそう大声で泣いた。
なぜか、迷わず全てを受け入れたタチ。
そんな朝日の輝く雲の上。
私の膝枕で寝るユニちゃんが、微かに顔を左右にゆらして太ももに頬を擦る。
前日の戦いで、ダッド相手に大立ち回りした反動だろう。
輝く角から着替えを一着だした後、可愛らしい寝顔でスヤスヤと眠りに落ちたままだ。
膝の上で寝るユニちゃんをズーミちゃんにあずけ「たらし」のパートナーに言い寄る。
ただの嫉妬、哀れで惨めな小物として。
ペチン。
ズーミちゃんのプルプルおさげが、私の頬を軽くはたいた。
大きな雲の上。
合流を果たした仲間たちと今後の予定を立てるはずが、ごらんの有様である。
実際問題、光の化身イトラは消えたけど、今後どうすれば良いのかどうすることが正しいのかは誰にもわからなかった。
結構強くつねっているけど、それでもタチは嬉しそうだった。

言い合いをしながら、くっついた私の体をいじるのも欠かさないタチ。
いつも通りだ。
ズーミちゃんが目線を送った先には、こんなしょうもないやり取りを、じっと眺めている灰色の子。
合流し、雲の上にのってからもずっと、彼女はストレちゃんの横で、大人しく私達を観察していた。