第17話 ユニちゃん
文字数 1,683文字
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見た目のちんまりした感じで、子供に話す口調になってしまう。
詳しくはしらないけど、清らかな湖に生息するはずだ。
なんで川に?
じーっとこっちを、いや、タチを睨みつけている。
可愛い顔に不釣り合いな表情で。
いつも通り気さくに手を伸ばし、ユニコーンの頭を撫でようとするタチ。
しかしヒョイッと、かわされてしまう。
そのまま私の太ももにひっつくユニちゃん。…なつかれた。
嫌悪感や不快感は一切ない、さすが清純の象徴。
子供をあやすように声をかける。
ニコッ。
ユニちゃんが私の方を見上げて笑顔をみせる。
ユニちゃんが再びタチに体当たりをする。
尖った角が痛そうだ。
無言で威嚇するように睨みつけるユニちゃん。
二人の間に火花が散る。
うにょうにょと川をすべるようにズーミちゃんが現れた。
忘れてた!私エサだったんだ。
囮作戦は成功したのだろうか?
ぱちゃぱちゃ!
ズーミちゃんとタチが口論を始めると、ユニちゃんは川の流れにそって逃げてしまった。
ズーミちゃんの周りの水が、ギュポギュポと彼女の体内に吸われている。
口惜しそうに、ユニちゃんの背中を見送るタチ。
拳を川に突き立て、大暴れするタチの裏で
ズミナナ同盟はのヒソヒソと密談するのだった。
川を出て、私が乾いたふかふかの布で体をふいてる最中。
タチは下着を履いている途中で、剣がないコトにきづいた。
下着姿でキョロキョロと当たりを見渡すタチ。
後ろめたい気持ちで、タチから顔をそらしてしまう。
ズーミちゃんも同じ気持ちだろう、やってることは悪いコト。
まして、真面目そうな彼女には荷が重い。
嘘も下手だし。
息を吸いキッと気を張るタチ。凄い気迫だ。
ドン!
タチの向かった方で大きな打撃音がして、鳥がバサバサと飛び立つ。
戻って来たタチの手には、黒々とした剣…神殺しが握られていた。
道中ずっと大人しく灰色だったのに、先ほどのタチの気配に反応したのだろう。
真っ黒に染まっている。