第15話 同盟。
文字数 2,390文字
アルケー湖を眺めながら、木の根を椅子代わりに朝食を食べていたところ、ズーミちゃんに声を掛けられた。
![](https://img-novel.daysneo.com/talk/462376de2b62edab7b51d9f6f3ba5d84.jpg)
そう言って昨日の夜出かけてから、まだ帰らない。
最後の一口様にとって置いたバターをパンにつけ、かじる。
そもそも、ズーミちゃんとタチの戦闘時に偶然居合わせてしまっただけなのだ。
友人なわけでも、目的を共にする旅仲間でもない。
下心が口から洩れてしまい焦るズーミちゃん。
露骨な話題変化をさせられたけど、なんか可哀想なので指摘しないでおこう。
あまり指摘するとまたプルプルしちゃうだろうし。
このまま聖地についても、神に戻った瞬間、グアァァーやられたー!ってなるのはごめんだ。
そうとう怒られるの嫌だったんだろうな…。
ブツブツとつぶやきながら、計画を練る気弱なスライム。もうお母さんにはばれてるのよ…。
そう言いたい気持ちは抑え、青く大きなアルケー湖を眺める。
背負った大きな鞄に、目一杯荷物が詰め込まれている。
ズーミちゃんは体内をプルプル震わせスライムリアクションをかましている。
未だ、ちょっと苦手なのである。その手の話題が。
人間に転生するぐらいだから、生命の営みとして、興味はあるんだけど…。
なにぶん、神の在りようとは程遠い行為。動物的というか生物的というか…。
十三回も人間してると嫌悪は殆ど消えたものの、まだ恥ずかしいさはある。
流そう流そう。
プルプルはもう治まっている。
こうして、神殺しの剣奪取&聖地に向かう旅が始まった。
不安しかないけど。