第1話
文字数 273文字
「忘れ物ないか?」
「はい、大丈夫です」
先生と私は大通りまで歩いて行った。そこから路面電車に乗り1時間ほど、事務所とは反対側の郊外で降りた。
郊外の割には人通りが込み合っていた。人も多いが荷馬車や木箱や見たことない箱を乗せた荷台、レンガ造りの倉庫の狭い路地の隙間にテントが肩を寄せる様に連なり奥まで見えない。
「よし、着いたぞ」探偵は辺りを見渡した。
今日
も
やる事がなかったので先生に頼み込み連れてってもらった。「いいかよく聞け、ここは帝都だがこの場所は無法地帯に近い。絶対に離れるなよ」
先生の後を追って路地に進んだ。